これから日本の携帯電話事情が大幅に変わってきます。ソフトバンク参入から、世界水準の3G技術の導入、スマートフォンの普及といくつか大きな変化がありましたが、SIMロック解除義務化が携帯業界を価格競争に追い込むでしょうか?!

6月末に、総務省が2015年度にはSIMロック解除を事務づける方針を固めました。
ドコモがSIMロック解除を行うなど、前から予測した方も多いかもしれません。
携帯電話業界にとっては、大きな転機となるでしょう。

元々SIMロック解除は、海外では大分前から義務化されていました。
例えば、ヨーロッパでは2002年からSIMロック解除のルール付けを明らかにしてきました。
そのため、業界の体系が日本のものとは大幅に異なり、
消費者が携帯電話端末とは独立して、回線契約(SIMカード)を自由に選ぶことができます。

例えば、契約していた携帯電話本体を電話会社にSIMロック解除してもらい、
他社SIMカードに差し替える、
または、初めからSIMロックフリーの端末をAmazonなどで購入して、
(もちろん、海外のアップルストアではSIMロックフリーのiPhoneが大人気ですね!)
SIMカードだけを携帯電話会社と契約する、など契約方法自体が日本とは異なります。

しかし、SIMロック解除が義務化されているとはいえ、簡単に解除を行えることを防ぐことにより、
利用者を電話会社に確保する指向があるように思います。
SIMロック解除方法を電話会社に依頼しても、けして直ぐに回答がないことも。
SIMロック自体をお勧めしない方針を採っている電話会社は今でも多くいます。

アメリカではSIMロック解除のポリシーの見直しが数ヶ月前に行われ、
よりわかりやすくSIMロック解除方法を案内するように、と方針を公表しました。
アメリカの新しいポリシーは、消費者の自由を尊重する内容となりました。

一方日本では、一昔前までSIMロック解除は、簡単には行えませんでした。
今でもドコモとソフトバンクのいくつかの機種以外は、正式に解除を行うことはできません。

ドコモがSIMロック解除を行うようになり、大分市場に動きが出てきました。
ドコモのSIMロック解除は、ソフトバンクのiPhone独占が影響していましたが、
それ以外でもSIMロック解除を後押ししたのが、
日本キャリアのMVNO(仮想移動体通信事業者)提携の導入です。

MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、Mobile Virtual Network Operatorの略で、
携帯電話会社の回線網を再販し、独自ブランドで通信サービスを提供する事業者のことを示します。
海外では、多く存在していて、有名どころでは例えば、
VirginモバイルやIKEAなど他の業界のサービス提供者が、携帯電話サービスを提供しています。
(Virginといえば、銀行や飛行以外にも宇宙旅行を実現してくれるかもしれない英系企業です。)

このような会社は、大手電話会社の行き届かないニッチ市場をターゲットする役目を果たしています。
アメリカで言えば、スペイン語中心の携帯電話サービスや
ティーネイジャーを狙った携帯電話サービスなど、工夫しています。

日本では2008年から、ドコモのMVNOが存在しています。
MVNOが目につけたところは、やはり大手電話会社の価格です。
単純に言います。日本の携帯電話通信費は、高い!
世界水準でも、高い方であることは色々な記事でも取り上げられています。
やはり安くすれば売れるのではないか、とMVNOは目を輝かせたわけです。
その通りで、格安SIMカードも人気急上昇ですね。

MVNOの参入により、格安SIMカードと言った商品が店頭に並ぶようになりました。
また、SIMロック解除の影響もあり、SIMロックフリーの端末を頻繁に目にするようになりました。
この2つを揃えるより、大手電話会社での契約をしなくても、携帯電話サービスを持てる時代になりました。

自由にSIMカードの契約ができるとなると、携帯電話本体も自由に選べる状況が必要です。
SIMロック解除を行った携帯電話本体であれば、色々なSIMカードを利用することが可能です。
SIMカード(回線契約)に縛られず、その時の自分の必要に応じてプランや会社を選らぶ。
様々なニーズに合わせて、携帯電話プランも進化していきますね。

もちろん、大手携帯電話会社の携帯電話をSIMロック解除して他社SIMカードを利用すると、
携帯電話の各種サービスが使えない、など支障もあります。
また、本体を持ち込む場合は、携帯電話会社にてサポートしてもらえないなど
いくつかマイナスな要素もあります。

しかし、高い通信費を提供し続ける大手携帯電話会社に
消費者が求めるサービス内容の充実を再検討してもらえる良い機会かと思います。
また、もちろん海外に行かれる際は、海外のSIMカードを専門に提供している
HanaCellのような会社もご検討いただけると、うれしいです!

吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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