JRパス(ジャパン・レール・パス)を日本人が一時帰国の際に使う方法【海外在住者向け】


比較的長距離でも車移動が多い海外生活に慣れてしまうと、日本一時帰国中の国内旅行の交通費は、高く感じますよね。そんな中、一時帰国時の交通費をできるだけ節約したいと思う人も少なくないかと思います。

そこで今回は、海外在住歴が連続して10年以上の日本人が、JR社の列車にお得に乗れるジャパン・レール・パスを使う方法について紹介します。

元々は、観光で短期間日本を訪れる外国人、海外の永住権を持つ日本人のみに販売されてきたジャパン・レール・パスですが、2017年6月から、日本人は海外在住歴が連続して10年以上の場合に購入可能となりました。

2024年最新版の販売期間と価格について解説しております。

一時帰国の際のコツについては以下の記事で詳しく解説しております。合わせてご覧ください。

海外在住歴35年の筆者が日本一時帰国のコツを紹介します。どんな準備をしたらいいのか、限られた日数の間に何をすべきか。年に1回は日本に帰国している私自身の体験や、日本人の友達の話を元に、一時帰国を充実して過ごすためのTipsをまとめました。
一時帰国SIM「ジャパンSIMカード」
もくじ
1.ジャパンレールパスとは
2.ジャパン・レール・パスの種類と料金(2024年最新版)
 2-1.2023年10月に大幅値上げ
3.ジャパン・レール・パスの利用資格
 利用資格①
 利用資格②
4. 海外在住日本人がジャパン・レール・パスの購入に必要なもの
 A. 在留届の写し(交付日が引換証の購入日から6カ月以内)
 B. 在留証明(発行日が引換証の購入日から6カ月以内)
 C. アメリカ、ブラジル、カナダのみ、在留国が発行する永住カード
  10年の数え方は?
5. ジャパン・レール・パスを購入する方法
6. 日本での引換えに必要なもの
7. ジャパン・レール・パスで乗れる列車、バス、フェリー
 7-1.ジャパンレールパスの範囲内で東京~新大阪間を移動するなら「ひかり」か「こだま」
8. その他、知っておきたいこと
 8-1.指定席の追加料金なし
 8-2.途中下車OK
 8-3.成田空港から成田エクスプレスにも乗れる(追加料金なし)
 8-4.紛失盗難でも再発行なし
 8-5.自動改札の利用はNG
 8-6.長距離移動だと到着するまで1日中電車に乗ることも
9. ジャパン・レール・パスの値段を検証
10. 乗換案内アプリがあると便利
11. 番外編 ここでちょっと海外の列車の長距離料金をチェック!
12. 海外在住歴9年以下の方が、交通費を節約するには?
 12-1.新幹線と宿泊のパック旅行
 12-2.青春18きっぷ
まとめ:2023年夏にジャパン・レール・パスの在外邦人への販売を再度延長

1.ジャパンレールパスとは

ジャパンレールパスとは、北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州のJRグループ6社が共同で発行している特別企画乗車券です。

冒頭部分にも記載しておりますが、もともとは観光目的で日本に短期滞在する外国人の方向けに販売されており、現在は海外在住の日本人で連続して10年以上在留している方にもご利用いただけます。
3種類の利用機関と普通車・グリーン車を選択して購入すれば、その期間内は一定の料金でJR社の提供する全国の鉄道や路線バスが乗り放題になるという特別乗車券です。

ただ、新幹線「のぞみ」や「みずほ」など一部利用できない車両はあるので注意が必要ですが、観光目的で日本に来て様々な都市を見て回りたい、という外国人の方はもちろん、一時帰国時の交通費をできるだけ節約したい日本人にとっても便利な乗車券になっています。

ジャパン・レール・パス

2. ジャパン・レール・パスの種類と料金(2024年最新版)

ジャパン・レール・パスは、訪日外国人旅行者向けにJRグループ6社が共同して提供しています。日本をJRグループの鉄道で旅行して回るのには、とても便利で経済的なきっぷです。

グリーン車用と普通車用の2種類があり、7日間、14日間、21日間パスと利用期間ごとに2種類に別れています。子ども料金は、6歳~11歳までの児童に適用されます。

【ジャパン・レール・パス】

グリーン車用 普通車用
おとな こども おとな こども
7日間 ¥70,000 ¥35,000 ¥50,000 ¥25,000
14日間 ¥110,000 ¥55,000 ¥80,000 ¥40,000
21日間 ¥140,000 ¥70,000 ¥100,000 ¥50,000

※2024年1月現在

【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券

2023年10月1日からジャパン・レール・パスを持っている人向けに、東海道・山陽新幹線「のぞみ」、山陽・九州新幹線「みずほ」が特別価格で乗車できる利用券が発売されました。
ジャパン・レール・パスをお持ちの方は、のぞみまたはみずほへの乗車1回につき利用券を下表の価格で購入できます。子どもは大人価格の半額です。

主な区間 価格(大人)
東京・品川~名古屋 4,180円
東京・品川~京都 4,960円
東京・品川~新大阪 4,960円
東京・品川~広島 6,500円
新大阪~博多 4,960円
博多~鹿児島中央 4,960円

※グリーン車用、普通車指定席用、普通車自由席用ともに同額

お持ちのジャパン・レール・パスの種類によって、利用できるのぞみ・みずほ利用券の種類が以下のように異なります。

利用可能なのぞみ・みずほ利用券の種類
ジャパン・レール・パスの種類 グリーン車用 普通車指定席用 普通車自由席用
グリーン車用
普通車用 ×

2-1.2023年10月に大幅値上げ

ジャパン・レール・パスは、2023年10月1日から大幅に値上げされています。
それ以前の価格は、大人7日間用で普通車29,650円(JR指定販売店価格)、グリーン車で39,600円でした。

新価格は同じ大人7日間用で普通車50,000円、グリーン車70,000円と2倍近く値上げされたことから、在外邦人の間でも大きな話題を呼びました。
ただ、これまでジャパン・レール・パスで乗車できなかったのぞみとみずほが特別料金で購入できるようになり、利便性も向上しています。

今後しばらくは価格見直しされる可能性は低いと考えられますが、たとえばアメリカで働いていてドルで収入を得ている人にとっては、円安の進行度合いを考えるとそれほど不当な値上げとは言えないかもしれません。

3.ジャパン・レール・パスの利用資格

ジャパン・レール・パスを利用するためには、以下の2つの利用資格のうちどちらか一方を満たす必要があります。
オンライン等ですでにジャパン・レール・パスを購入していたり、引換証を持っていたとしても、利用資格を満たしていない場合は使用できません。

利用資格①

外国から「短期滞在」の入国資格により観光目的で日本を訪れる外国人旅行者

こちらは、在外邦人にはあまり関係のない資格ですが、現地の友人、パートナー、親戚などと一緒に来日する際はご注意ください。
パスポートに短期滞在と分かる入国スタンプまたはシールが貼られていないとジャパン・レール・パスが受取、引き換えができません。

自動化ゲートを利用する場合は、係員にジャパン・レール・パスを利用する旨を伝えてスタンプまたはシールを貼ってもらいましょう。
ただ、トラスティド・トラベラー・プログラムによる「特定登録者カード」を持っている方、特定登録者カードを提示すれば短期滞在確認が可能です。

利用資格②

海外在住の日本人で、

  • ・日本国の旅券(パスポート)
  • ・在外公館が発行した海外への在留期間が連続して10年以上であることが確認できる書類を有する

という2つの条件を満たせばジャパン・レール・パスが利用できます。
在留期間を証明できる書類は次項で詳しくご紹介いたします。

一時帰国SIM「ジャパンSIMカード」

4.海外在住日本人がジャパン・レール・パスの購入に必要なもの

元々は、日本人の場合は、海外の永住権を持っている人のみがジャパンレールパスを購入できましたが、2017年6月1日から日本国の旅券及び、「在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方 に変更になりました。

その経緯については、最後のあとがきで少し紹介しています。

簡単に言うと、海外に10年以上連続して居住し、それを証明できる以下の書類を提示できる方です。

<購入に必要なもの>

1. 日本国の旅券(パスポート)

2. 在留期間が連続して10年以上であることを証明する、
以下のいずれかの書類
A. 在留届の写し(発行から6カ月以内)
B. 在留証明(発行から6カ月以内)
C. アメリカ、ブラジル、カナダのみ、在留国が発行する永住カード

日本のパスポートは説明不要かと思いますが、2つ目の書類は耳慣れないものも多いでしょう。それぞれ紹介します。

A. 在留届の写し(交付日が引換証の購入日から6カ月以内)

在留期間が連続して10年以上の方が、ジャパン・レール・パス購入のために、お住いの国の日本大使館や領事館にて無料で発行できる書類です。

1通の在留届の写しで、同居家族の在留期間も連続して10年以上であることが確認できれば、家族のジャパン・レール・パスも1通の在留届の写しを使って購入できます。

手数料:無料
必要書類:日本のパスポート、現住所と滞在期間を証明する書類、国によってはビザ

B. 在留証明(発行日が引換証の購入日から6カ月以内)

海外在住の日本人が、日本の不動産や年金、受験などの手続きの際に住所を証明するために、お住いの国の日本大使館や領事館などで発行する書類です。

海外に3カ月以上居住していれば発行できる書類ですが、ジャパン・レール・パスの購入に利用できるのは10年以上の在留を証明できる場合のみです。手数料もかかりますので、A. 在留届の写しを利用する人が多いのではないでしょうか。

手数料:1,200円相当(現地通貨)
必要書類:日本のパスポート、現住所と滞在期間を証明する書類、国によってはビザ

C. アメリカ、ブラジル、カナダのみ、在留国が発行する永住カード

アメリカ、ブラジル、カナダのみ、大使館や領事館に行って書類を発行しなくても、グリーンカードなどの永住カードで証明することができます。
ただし、当該国に10年以上在留していることが記載されたものに限ります。

例えば、仕事や学生のビザで6年間アメリカに居住した後、グリーンカードに切り替えて4年住んでいるというような場合には、グリーンカードでは証明ができませんので、在留届の写しまたは在留証明の発行が必要になります。

グリーンカードで10年以上アメリカに居住している場合は、グリーンカードを使って証明できます。

関連記事:海外在住者が一時帰国時に使える保険は?

10年の数え方は?

なお、在留期間がちょうど10年くらいという方は、以下もご確認ください。

※「10年以上」については、引換証のお買い求め時点で「10年前の同じ月」以前のものが有効です。
(例)2017年6月1日に引換証購入の場合「2007年6月」以前のものが有効 (2007年6月1日~6月30日は「2007年6月」と見なし有効)

5.ジャパン・レール・パスを購入する方法

海外在住の日本人がジャパンレールパスを購入できるのは、海外のJR指定販売店・代理店のみです。日本国内では購入できません。海外で引換証を購入し、日本に着いてからジャパンレールパスに引き換えるという手順になります。

ジャパンレールパスのサイトに海外の販売店の情報がありますので、お住いの地域の販売店を調べてみましょう。

なお、外国人の場合、日本国内や、2020年6月1日以降は専用サイト(JAPAN RAIL PASS RESERVATION)でも購入が可能ですが、その場合、海外の代理店から購入するよりも、約10%~13%高めの値段設定になりますので、注意が必要です。
外国人の同行者のジャパン・レール・パスを手配する場合も、海外の代理店で購入しておきましょう。

6. 日本での引換えに必要なもの

ジャパンレールパスの引換証を海外で購入しただけでは利用できません
来日後、窓口でジャパン・レール・パスへの引換えが必要です。

引換に必要なもの(海外在住日本人の場合)

1. ジャパン・レール・パスの引換証

2. パスポート

3. 確認書類
購入時にも提示した在留期間10年以上を証明する書類がパスの引換時にも必要です。

引換証とパスポートの名義が同一でないと、引換えできません

引換窓口は、各空港をはじめ全国にあります。各県の大きな駅のきっぷうりばや旅行センター、ジャパン・レール・パス引換所などで引換可能ですので、地方でも問題なく利用開始できます。利用開始時に、係員のいる通路を通り、改札口で、係員押印欄に押印を受けます。

7. ジャパン・レール・パスで乗れる列車、バス、フェリー

ジャパン・レール・パスでは、新幹線をはじめとるするJR各線の列車、バス、フェリーに乗車できます。

<列車>
JRグループ全線の新幹線、特急列車、急行列車、快速列車、普通列車、BRTなど
成田エクスプレスや東京モノレールなども含まれます。

ただし、東海新幹線の「のぞみ」号、山陽・九州新幹線の「みずほ」号は別途利用券を購入する必要があります。

また、JR線と私鉄会社が直通運転を行っている列車(踊り子・スーパービュー踊り子号、日光号など)がいくつかありますが、これらを利用する際は、私鉄会社線区間は有料となり、別途駅で支払いが必要です。

<バス>
一部のローカル線を除くJRバス会社の各ローカル線(JR北海道バス、JRバス東北、JRバス関東、JR東海バス、西日本JRバス、中国JRバス、JR四国バス、JR九州バス)
※JRバス各社の高速バスは、2017年以降乗車不可となっています

<フェリー>
JR西日本宮島フェリー

最新情報や詳細は、ジャパン・レール・パスのサイトでご覧ください。

7-1.ジャパンレールパスの範囲内で東京~新大阪間を移動するなら「ひかり」か「こだま」

東京~新大阪間での新幹線の速度の順番は、「のぞみ」→「ひかり」→「こだま」です。
ジャパンレールパスでは「のぞみ」には乗車できず、別途利用券を購入する必要があります。

JRパス 所要時間 停車駅
のぞみ × 2h15m 東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の主要6駅のみ
ひかり 2h50m 主要6駅以外に、静岡などの地方の都市にも停車
こだま 4h 新幹線の全ての駅に停車

8. その他、知っておきたいこと

8-1.指定席の追加料金なし

事前に指定席を予約することができます。この場合追加料金はかかりません。

8-2.途中下車OK

ジャパンレールパスを利用するメリットの1つは、途中下車がOKなこと。
目的地より前の駅に立ち寄って、買い物や食事をしたり、現地の友人に会ってからまた新幹線に乗ることができます。

8-3.成田空港から成田エクスプレスにも乗れる(追加料金なし)

成田エクスプレスはJR東日本が運行する特別急行列車です。空港にある窓口でジャパンレールパスを受取り、そのまま成田エクスプレスで移動するとよいでしょう。

ちなみに成田⇔上野間を結ぶスカイライナーは、京成電鉄の座席指定有料特急列車ですので、ジャパンレールパスでは乗車できません。

8-4.紛失盗難でも再発行なし

失くさないように気を付けないといけませんね。

8-5.自動改札の利用はNG

駅員さんのいる改札を通ります。パスの有効期限が分かる部分を見せるだけでOK。

8-6.長距離移動だと到着するまで1日中電車に乗ることも

日本全国で利用できるジャパンレールパスですが、長距離をすべて陸路で移動するとなると、やはり時間がかかります。
途中下車などをして、色々な場所を巡りながら移動すると、長い移動時間も気にならなくなるかもしれません。

9. ジャパン・レール・パスの値段を検証

面倒な手順を踏まないと購入できないジャパンレールパスですが、どのくらいお得なのか気になるところです。

実際ジャパン・レール・パスを利用する最大のメリットについて、100名にアンケートをとったところ、交通費の節約が6割近くを占めていました。
アンケート
東京から各都市まで、普通に指定席で新幹線に乗る場合の費用を見てみましょう。

区間 往復価格
東京~新函館北斗 46,060円
東京~盛岡 29,620円
東京~仙台 22,240円
東京~名古屋 22,200円
東京~新大阪 29,040円
東京~博多 47,220円

※価格はえきねっとの参考価格を参照しています。ご利用時期によって価格変動することがあります。

一度の往復でこれくらいの費用がかかりますが、ジャパン・レール・パスは期限内・範囲内であれば乗り放題。
日本に帰ってきて色々な場所に行く予定がある方や、色々な交通機関を利用する方は改訂後の価格でも十分お得に利用できます。

到着した各都市でも電車やバスに乗りますよね。意外と費用がかさむものですが、ジャパンレースパスでは各都市のJRの電車やバスにも乗車できます

10. 乗換案内アプリがあると便利

電車で各地へ移動する場合、空港からの電車の時間、乗り継ぎなどについて調べられる便利な乗換案内アプリがあるのをご存知ですか?

最近は英語版も用意されているので、一緒に移動する海外の方とも同じ情報をシェアできます。私も空港で、外国人の方に都内へに行き方を尋ねられた際、乗換案内アプリを教えてあげたら喜ばれました。

アプリを利用する際は、データ通信が必要です。空港などでは無料WiFiが利用できますが、日本のSIMカードを用意しておくと、日本滞在中いつでもデータが使え便利です。

一時帰国専用のSIMカード「ジャパンSIMカード」は、普段は月額基本料金がかからず、一時帰国した月だけデータ通信を定額で利用できます。一般的な旅行者向けのSIMカードと違って、日本の携帯電話番号で電話できるのも特長です。

データ通信可能なスマホがあれば、新幹線での長距離移動中に訪れる観光地について調べたり、ホテルを予約することもできますよね。
日本滞在中、乗換案内アプリとジャパンSIMカード、ぜひセットで活用してみてください。

関連記事:​​​​​一時帰国の準備と持ち物は?海外在住者の日本滞在のコツ

11. 番外編 ここでちょっと海外の列車の長距離料金をチェック!

移動区間 価格 所要時間 距離
ミラノ―パリ(片道) 1等9,700円
2等7,300円
7h35m 約900km
ローマ―ミラノ(片道) 6700円~ 3h40m 477km
ロンドン―パリ(片道) 約8,700円~ 2h25m 348km
広島―東京(片道) 18,910円 4h52m 894.2km
東京―京都(片道) 14,050円 2h45m 513.6km
新大阪―広島(片道) 10,420円 1h36min 331.6km

海外の長距離列車

単純に移動距離に対する運賃を比較するとヨーロッパの列車の方がが安いことが分かります。
安さの理由の1つは、フランス、ドイツなどの欧州各国では、移動の権利を保障するという考え方があり、所得の低い若年層も移動できるよう、格安料金が政策的に導入されています。

欧州の列車のチケットは購入するタイミング、電車の出発時刻、年齢、エコノミー、スタンダードやビジネスなどによって異なる料金が設定されています。またオンラインで購入する際のプロセスも英語ではありますが、感覚的に大変分かりやすくできており、日本語で日本の新幹線を買うより分かりやすかったです。

海外の方からすると、日本の新幹線は料金が高く、チケットの購入も難しいです。
料金がお得で、その都度切符を購入する必要がないジャパン・レール・パスは、外国人旅行者にはとても便利なパスと言えるでしょう。

12.海外在住歴9年以下の方が、交通費を節約するには?

ジャパン・レール・パスは海外在住期間が連続して10年に満たないと購入することは出来ません。海外在住期間が10年未満の方は、新幹線とホテルがセットになっているパック旅行や青春18きっぷの利用で節約してみましょう。

12-1.新幹線と宿泊のパック旅行

新幹線と宿泊のパック旅行はいろいろな旅行会社が販売していますので、ネットで検索するとたくさん出てくるはずです。

新幹線と宿泊のパック旅行の例

・東京―京都間 新幹線「ひかり」往復
・ビジネスホテル3泊
大人2人 合計71,000円

このパック旅行の場合、新幹線東京―京都間往復料金、ビジネスホテルでの3泊分の宿泊代金を全て合わせて、大人1人あたり、35,500円の計算になります。

東京―京都の新幹線ひかりの往復代金が28,100円ですので、ビジネスホテルに1泊2,466円程度で宿泊できる計算になります。

パック旅行で申込むと、鉄道と宿泊先を別々に申込むよりずっと節約できます。

デメリットとしては、申し込み時に指定した列車に乗り遅れた場合、新幹線の特急券が無効
となるパック旅行が多い点です。

JRの窓口などで購入した指定席チケットの場合、乗り遅れても同じ日の自由席なら差額なしで乗車できます。

パック旅行を利用する場合は、新幹線の時間に注意しましょう。

12-2.青春18きっぷ

「青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通列車・快速列車に乗り放題で乗れるチケットです。学生の長期休暇のシーズンに合わせた春、夏、冬に販売されます。学生さんのイメージが強いかもしれませんが、大人でも利用できます。

1枚の「青春18きっぷ」に1日乗り放題が5回分ついて、価格は12,050円です。(2020年現在)1回につき2,410‬円という計算になります。

1回分ごとに切り取ることはできませんが、1人で5日間使うこともできますし、5人の日帰り旅行などグループでも使うこともできます。

一時帰国の時期が重なればお得ですが、特急や新幹線には乗れません。ある程度近い場所への旅行に利用するか、ずっと電車に乗っていても構わないという人向けです。

まとめ:2023年夏にジャパン・レール・パスの在外邦人への販売を再度延長

2017年、JR社はJR各社と協議した上の決定として、2017年3月末で日本人の永住者へのジャパン・レール・パスの販売打ち切りを発表していました。

しかし当時、このJRの発表を受け立ち上がった在外邦人の有志たちが、「ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会」を発足し、Facebookでの問題提起、ネット上での署名活動などを行い、JRに対し、再考を促す署名を5カ月間で、70カ国から8,000人分集めたそうです。

結局JR社は一度発表した在外邦人への販売打ち切りの方針を転換し、ひとまず東京五輪が行われる2020年末までという期間限定で、在外邦人へのJRパスの販売を継続する事にしました。

なお、発表の時点では東京五輪が行われる「2020年末まで」の購入とされていましたが、コロナウイルスの影響もあってか、引換証の発売期間を2023年12月31日まで延長されました。
その後、2023年7月にさらに期間が改定され、引換証の販売期間と引換期間は下記の通り延長されています。

■発売期間と引換期間(2024年最新版)
・日本国外での引換証の発売期間 2017年6月1日~2025年12月31日
・日本国内での引換期間 2017年6月1日~2026年3月30日
※上記以降の発売につきましては、改めて、お知らせいたします。

在外邦人へのジャパン・レール・パスは過去に販売打ち切り、そしてその時に在外邦人の方たちが声を上げて行動したことにより再び購入権利を手にしたという過去があったのですね。
今後またJRの方針がどうなっていくかは分かりませんが、引続き長期海外在住者が継続して購入権利を維持できることを願います。

販売期間や対象者は今後も変化する可能性があります。
最新情報はジャパン・レール・パス公式サイトからご確認ください。

一時帰国SIM「ジャパンSIMカード」

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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