アメリカで話される言語。英語が話せない人たちはどう暮らしてるの?

アメリカで話される言語

こんにちは、ハナセルです!今回はアメリカで話される言語についてです。この記事では、米国では英語以外にどんな言語が使われているのかのランキングや、アメリカの中で多言語が使われている背景、英語以外を話す人たちは普段どうしているのかなどを深く掘り下げてご紹介します。

1. 移民の国のアメリカ!公用語は英語じゃない?

日本では日本語が唯一の公用語として使われており、国のオフィシャルな文書、政治、公共の場で使われています。このように、公用語が決められている国はその他にも多数あるのですが、世界を見渡すと、一つの言語を公用語としている国は少数で、複数の言語を公用語としている国が過半数です。

日本の場合は法律で「日本語を公用語とする」と言う明確な表記はなく、「事実上の公用語」として使われています。ただし、裁判所法74条には、「裁判所では日本語を用いる」と言う表記があります。

さて、アメリカではどうでしょうか。みなさんご存知の通り、アメリカは移民の国として成り立った歴史があるので、いろいろな国の出身者が各地に住んでいます。アメリカで話されている言語の数は、現在約350以上と言われています。(ちなみに、世界に現在存在する言語は7000以上と言われ、約3000の言語が消失の危機にあると言われています。)

アメリカには法で定められた公用語はなく、英語が「事実上の公用語」として存在しています。ここまでは日本における日本語と似た感じに聞こえますが、広いアメリカでは州や自治体による地域差が非常に激しいです。英語を全く読み書きできなくても普通に生活ができる地域やコミュニティが各地にたくさん存在します。

元々「広く移民や難民を広く受け入れる」ことが政策の一つであり、「宗教、言葉、出身地、出自によって差別されず」、「万人に平等な権利と自由を保障する」と掲げている国なので、一つの言語に限って「公用語」として制定できない背景もあります。

しかしながら、憲法や法律、政府の公式文書や公立の学校などでは英語が主要な言語として使用されています。

食品のパッケージ、電化製品の取扱説明書、政府からのお知らせの印刷物などには英語とスペイン語の両方、またはそれ以上が併記されています。

2. アメリカで使われている言語ランキングと割合

アメリカで最も話されている言語は以下の通りです。

家庭で話す言語

1位 英語 2億4500万人 78.5%
2位 スペイン語 4130万人 13.2% 
3位 中国語(すべての中国語を合計)340万人 1.1%
4位 タガログ語(フィリピン語を含む)172万人 0.5%
5位 ベトナム語 152万人 0.5%
6位 アラビア語 139万人
7位 フランス語 118万人
8位 韓国語 107万人
9位 ロシア語 104万人
10位 ポルトガル語 94万人 



19位 日本語 45万人

引用元:Languages of the United States – Wikipedia(英語)

2-1. アメリカでの日本語とアジア系言語

アメリカで使われている言語の中で、気になる日本語はなんと19位。

アジア系の中で順位が高い中国、フィリピン、ベトナム、韓国のコミュニティは米国の各地にあります。

中国系の移民は昔から世界中に移住し、自らの文化や言語を持ちながら適応して、強いコミュニティを作り上げる文化があり、移住先の中国系の経済活動は中国本土との貿易にも一役買っています。

また、フィリピンはかつてアメリカに植民地化されていた歴史があり、そのためアメリカの文化が根付いていることと、さらに英語が公用語ということもあり、アメリカに移住しやすいと言えます。

人数的にはマイノリティではありますが、長い時間をかけて確実にアジア系のアメリカ人は居場所を作っていると感じます。ちなみに、アメリカ国内に住むアジア系の人口は2010年から2020年までの10年間で約23%増加しました。現在での米国内のアジア系の人口は約2200万人で、マイノリティの中でも急速に増えています。

2-2. アメリカで英語とスペイン語が主な言語になった歴史的理由

アメリカで事実上の公用語レベルで大多数に話されている言語はご存知のようにまずは英語、そしてスペイン語です。

アメリカで英語とスペイン語が多く使われている理由は、アメリカの歴史や現在の環境に大きく関わります。世界史やアメリカ史に詳しい方はよくご存知かもしれません。

まず、英語については植民地時代にイギリスから移民が多数渡ってきて、そこから独立・建国され、今に至るという経緯に起因しています。17世紀にイギリス領のバージニア植民地が設立され、その後も東海岸沿いに植民地が拡大され、さらに中部、南部、西部へと人々が移動し、英語を使用する人たちは現在のアメリカ合衆国全体へと広がっていきました。

スペイン語が話される理由は、スペイン人が16世紀に北アメリカ大陸を探検し、のちに南西部を植民地化したことがまず歴史的な理由としてあります。スペインはプエルトリコ、キューバ、中南米諸国、さらにフロリダ、テキサス、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニアを19世紀になるまでの間に植民地化しました。次に地理的、社会的要因として、メキシコ、中南米、カリブ海からの移民がアメリカに多く移住し、スペイン語を使用していることが挙げられます。

2-3. アメリカで2つ以上の言語を使う人の割合は?

2019年の白書によると、アメリカの家庭で2カ国以上の言語を使える人(バイリンガル、マルチリンガル)の割合は約20%と言われ、6千7百万人です。国税調査はもちろん、公立の学校では年に一度このような質問を通っている子供たちの世帯にすることがあります。

二か国語以上を話せる人たちはヒスパニック系アメリカ人、アジア系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、その他の移民が多くを占めます。

2-4. アメリカで英語が話せない人の割合は?

逆に英語が話せない人の割合は、年齢層や地域によって異なりますが、2020年の国税調査のデータによると全人口の8.6%となっています。

外国生まれの移民の31%が英語が話せず、アメリカで生まれても4%の人は英語を話しません。移民の場合、家族として連れてこられた老齢の世帯メンバーや、数年間のみ米国に居住する駐在の世帯の帯同者や子供などの多くが英語を話さないと考えられます。

3. 多言語社会アメリカ。英語が話せない人たちはどう暮らしてるの?

多言語社会アメリカ。英語が話せない人たちはどう暮らしてるの?

米国では英語が話せなくても生活することはできます。政府の出す文書や企業のあらゆるサービスは多言語に対応していることが多く、いろいろな場面で多くの言語が書かれた書類や広告を目にすることも多いです。

スペイン語を使うヒスパニックや中国、韓国語、そしてインドの人々は、各地に大きなコミュニティがあるため、そこに属して生活すれば、帯同や一家全員で移住してきた世帯の中の非英語話者も、友達を作る、買い物をする、医療を受ける、さらに仕事を探す、宗教施設へ通うなどのことが他の言語を話す人たちよりは比較的簡単にできます。

しかしながら、彼らよりも人数が少ない、我々日本人を含むマイノリティにとっては決して簡単ではなく、生活のあらゆる場面でやはり英語が必要となってきます。ですが、後述するような多言語国家ならではのルールや配慮があるので、日本からアメリカへ移住・引っ越しする方はぜひ覚えておいてくださいね。

3-1. アメリカでは医療現場で通訳を無料でつけられる

例えば、アメリカではいろいろな言語を話すことができるお医者さんや医療スタッフがいるので、インターネット、地図、そして保険会社の提供する、自分の保険がカバーする医師のリストで検索するとお医者さんの話す言語を絞って探すこともできます。大都市であれば、日本人のお医者さん・専門家もいらっしゃいます。

そして、どの病院でどの言語を話される医師のもとで診療を受けようとも、必要であれば無料で通訳をつけられる決まりがあります。予約をする際に、電話で伝えてもいいですし、Webサイトの申し込みフォームには通訳が必要かどうかのチェック項目や、何語を話しますか、という質問もあることが多いです。

このサービスはすべての患者が自分の言語で医師や看護師とコミュニケーションを取ることができるようにするためで、医療機関はそれを実行できるようにする法的責任があります。この法律は多言語話者の権利を保護する Civil Rights Act の下に制定されています。

実際の受診時には対面通訳、電話通訳、ビデオ通話などがあり、病院によって選択は異なります。出産や手術、緊急時などには入院する際の手続きで通訳が必要かどうかを聞いてくれます。もし聞かれなかった場合は、こちらからお願いすれば手配してもらえます。

3-2. 英語を母国語としない人向けの無償の英語コース

人の出入りが多い米国ですが、家族単位で移住でやってくる方も非常に多いです。お子さんがいる世帯の海外からの引越しで一番気になるのは、子供の教育が英語になることについてではないでしょうか。

英語が母国語ではない就学年齢の人々は、学校で英語のサポートを受けることができます。先ほども出てきた Civil Rights Act により、学校では適切な支援を受けさせるように求められています。

具体的には、学校の中に英語を外国語として学ぶためのESL (English as a Second Language)があり、必要であれば無償でそのコースが提供されます。初めて学ぶ人向けの基礎的なクラスから、アカデミックなクラスまで幅広く対応しています。入学手続きの際に問いあわせて申し込むと良いでしょう。

また、学校によっては教科によって通訳がついたり、教師による個別指導やカウンセリング、グループレッスンなども行われている場合もあります。大学などの高等教育ではESLのクラスや、ネイティブ英語話者による課題やライティングのチェックシステムなどもあります。

また、子供や学生向けのESLだけではなく、大人に対しても無料のESLが図書館や教会などで提供されています。図書館のホームページや地元の掲示板サイトなどに行くとこういったサービスを見つけることができます。移民が多い地域では非常に一般的な公的サービスです。

3-3. アメリカで多言語社会を感じる瞬間

アメリカで生活すると、英語やスペイン語以外の言語を使う人たちにも気遣いがあるなと感じる場面が多々あります。例えば美術館・博物館、テーマパークなどでは多言語の地図やパンフレットが置かれています。また、紙の地図だけでなくアプリなどでの表示も言語を選ぶことができます。

ディズニープラスやネットフリックスなどのストリーミングサービスでは音声や字幕が以前より格段と多言語に対応しています。特にディズニーのファミリー・子供向けのコンテンツではかなりの種類の吹き替え版や字幕に対応しています。

図書館には中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、ヒンディー語、日本語などなどの本のコーナーがあり、自治体ごとの特色が強く反映されている場合もあります。子供向けの絵本やオーディオブックなども取り揃えられている場合があります。また、その地域の人たちから寄付された本である場合も多いです。

全国的に大都市近郊を中心に、外国語を用いる学校が多くあるのもアメリカならではかもしれません。日本からの場合は、来てすぐには英語が話せない、英語を習得するには長い間かかるけれど、その間に帰国する予定でさらに帰国後すぐに受験が控えている、という方はお子さんをアメリカの現地校に入れずに、日本人学校に通う選択肢もあります。

3-4. 街の風景でも感じる多言語社会

各地に点在する移民のコミュニティは非常に力強く、多く集まるほど、その民族の母語でお店や会社、レストランなども多く経営されているのを目にします。

例えばニューヨークシティでは、古くからチャイナタウン、リトルイタリーなどがあります。他にも、ユダヤ系、ドイツ系、アイルランド系、ウクライナ系などが集まるロウアーイーストサイド、プエルトリコ、ドミニカ共和国、メキシコ系などの集まるイーストハーレム、アフリカ系が集まるハーレムなど、地域によって異なる人種や文化のコミュニティがあります。

最近では特にエンパイアステートビルの周辺のエリア、ミッドタウンには韓国語や中国語の看板が溢れており、銀行や飲食店などのビジネスが非常に盛んです。時には英語で書かれた看板の方が少ないブロックさえあるほどです。

日系のスーパーや飲食店が多いところはイーストビレッジとミッドタウンです。イーストビレッジの方にはレストランが多く、漫画屋さんや雑貨店もあります。ミッドタウンには日本の銀行や米国支社が集中しており、この近辺のスーパーや飲食店、居酒屋、カラオケなどもあり、日本からのビジネスマンがよく訪れることでも地元では有名です。これから訪れる方はぜひ地図を眺めてみてください。面白いですよ。

3-5. アメリカではメディアも多言語

テレビやラジオでは英語以外のチャンネルも多くあります。スペイン語や中国語だけのコンテンツを流す局もあったり、普通の英語の放送でもコマーシャルにスペイン語が流れたりする場面も日常で普通にあります。

ケーブルテレビでは有料で韓国、日本語、ベトナム語、フランス語、ロシア語などのチャンネルを提供している会社もあります。

また、中華系のスーパーに行けば、入り口付近には中国系の新聞やチラシが、ロシア系のお店ならロシア語で書かれた求人やポスターなど、置いてある物もそのコミュニティ向けのものが多いです。アメリカに住む移民はこうやって情報収集しているのかと垣間見る瞬間がたくさんあります。

まとめ

アメリカで話されている言語について、メジャーな言語とそのほかの言語、そして英語が母国語ではない人々の暮らしや、街で感じられる多言語社会の様子などをお伝えしました。皆さんのお住まいの地域にはどんなコミュニティがありますか?

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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