こんにちは!ハナセルです!
以前の記事で、アメリカの医療システム・医療保険の仕組みが日本と全く違うというトピックを取り扱いました。今回はアメリカでの常備薬についてたっぷりご紹介します。
医療保険に入るハードルの高さ、治療費の高さなど、米国での医療をめぐる様々な要素は多くの人にとって病院のかかりづらさの原因となっています。
という事で、ちょっとの風邪くらいではなかなか病院・クリニックに行かないアメリカの生活。ご存知の方も多いと思いますが、セルフメディケーションの文化がとても発達しており、スーパー、薬局で売られている市販薬がとても頼り甲斐があります! しかし、渡米してすぐの方は、どの市販薬を買えばいいか迷われることでしょう。
この記事では、アメリカの常備薬として買っておきたい有名どころの市販薬を用途別に詳しくご紹介します!また、市販薬以外にも、アメリカの薬局で気づく日本との違いを紹介します。
(この記事は、症状や病気の治療を目的としていませんのでご了承ください。)
1. 医者にかかるタイミングが日本と違う!
2. 風邪薬(総合感冒薬 Cold and Flu Medication)
3. 咳止めシロップ(Cough Syrup)
4. 痛み止め(頭痛・生理痛・歯痛など)
5. アレルギー薬(Allergy Relief)
6. 鼻のアレルギー薬(点鼻薬 Nasal Spray)
7. 胃もたれの薬(Heartburn)
8. 目薬(Eye Drops)
9. 口内の痛み止め(Oral Pain Relief)
10. 便秘薬(Constipation)
11. お腹を下している時の薬(Anti Diarrhea Medicine)
12. 絆創膏(Adhesive Bandages)
13. 湿布・筋肉痛(Muscle Pain)
14. やけどのクリーム(Burn Relief)
15. ポイズンアイビー(Poison Ivy)
16. 耳の掃除
17. 歯の詰め物が取れた時に自分でつける接着剤
18. 体温計・パルスオキシメーター
19. まとめ
医者にかかるタイミングが日本と違う!
風邪をひいたくらいでは医者にかからないアメリカ暮らしですが、軽症の風邪で受診すると、市販薬で対処するように言われることがほとんどです。(重症の場合は検査や抗生物質などが出ます)
風邪のひき始め、軽症の段階の場合は、お医者さんが処方してくれる風邪薬というのは特になく、抗生物質がいらない場合は市販薬で様子を見て、悪化したら再受診してください、という流れになることが多いです。なのでひき始めは早めに薬局で薬剤師さんに相談して薬を買って対処する方が多いです。
それでも熱や咳が数日続いていてどうもおかしい、という時にやっとお医者さんに行くことが多く、その際は検査と診断があります。まずは市販薬で様子を見、治らないようだったらやっとお医者さんにかかるのがアメリカでは多いようです。米国ではお医者さんとの付き合い方が日本と違うのですね。
風邪が悪化しないうちにお医者さんに見立ててもらって、薬局で薬を受け取って、安心する日本のやり方とは大違いですね。
風邪薬(総合感冒薬 Cold and Flu Medication)
アセトアミノフェン、イブプロフェンを含むお薬が、普通の風邪の際お医者さんも勧めるものです。これらの成分には熱冷まし、痛み止めの効果があります。
代表的な銘柄はTylenol(タイレノール、成分:アセトアミノフェン)やMotrin(モートリン、成分:イブプロフェン)など。これらの定番の銘柄以外にも、スーパー、薬局の自社ブランドのものも少しお安めに売られています。
子供には子供用の同成分、銘柄のお薬が売られています。用法、分量は箱に書いてあり、液体の薬の場合、中には計量カップもついているのと、甘い味になっているのでお子さんも抵抗が少なく飲むことができます。
咳止めシロップ(Cough Syrup)
咳止めシロップは咳を止めるだけでなく、先述した、風邪向けの総合感冒薬が含まれているものも多くあります。
代表的な銘柄はMunchex(マンチェックス)やNyQuil(ナイクイル)などがあります。
寝る前に飲んでぐっすり眠れるようにする夜用と、昼用があります。昼用、夜用がセットになっていたり、別々に売られてたりしますので、買う際はよく確認することをお勧めします。そして、お仕事・運転の際は、昼間用の眠くならないものを選びましょう。
痛み止め(頭痛・生理痛・歯痛など)
代表的な銘柄はExcedrin(エクセドリン、成分:アセトアミノフェン)、Advil(アドヴィル、成分:イブプロフェン)Tylenol(タイレノール、成分:アセトアミノフェン)、Motrin(モートリン、成分:イブプロフェン)、Aleve(アリーブ、成分:ナプロキセン)などがあります。TylenolとMotrinは、風邪薬の項目でも登場しましたね。
アメリカのお薬は日本よりも強いものが多いので、Pill Cutterという錠剤の薬を切る道具で割ってから、半分にして飲んでいる人も多いようです。Pill Cutterはスーパーでも、薬局でも売られています。
アレルギー薬(Allergy Relief)
「日本では処方箋が必要なアレルギー薬が、アメリカでは市販薬として売られている」と日本人の間でも話題に上ることがありますが、それだけ花粉症程度では病院に行かず自分で対処するというお国柄が出ているということでもあります。
アメリカは広く、植生と気候が各地で大幅に違いますし、多くの地域で身の回りに木が多く生えているので、花粉症がある方は自分に効く成分の物を用意しておくといいでしょう。
代表的な銘柄はZyrtec(ザイルテック)、Allegra(アレグラ)、Claritin(クラーリティン)などがあります。
鼻のアレルギー薬(点鼻薬 Nasal Spray)
鼻の中にスプレーしてくしゃみや鼻水を緩和するタイプのアレルギー薬も多く出ています。
Flonase(フローネーズ)、Afrin(アフリン)、Nasacort(ネイザコート)が大手の鼻のスプレー薬です。インターネット上でも花粉の季節となるとたくさん広告が出るので、目にされたことがある方も多いかもしれませんね。
胃もたれの薬(Heartburn)
胃もたれ・胸やけは、胃腸の弱い方はアメリカの食事のせいでよく体験するかもしれません。「謎のピンクの液体」で有名なPepto-Bismol(ペプトビスモル)、チュアブルタブレットのTums(タムズ)などが一般的な胃もたれのお薬です。
特にピンクのお腹の薬はアメリカでは家に一本必ず常備しておこう!と有名です。
目薬(Eye Drops)
砂漠地帯や西海岸など日差しの強い地域、そしてハワイなどではみなさんサングラスで目を守られていますが、乾燥した気候では目薬を多くの方が使います。アメリカの乾燥している地域は恐ろしいほど目や皮膚に影響が出ますね。
目に既往症がある方・コンタクトなど使用されている方はまず眼科にてお薬を出してもらうことが前提です。
市販の目薬では、ドライアイ向け目薬にはVisine(ヴィジン)やOpcon-A(オプコンエー)などがあります。色々な効果別に売られているので、ドライアイ向けなのか、アレルギー向けなのかなどよく確認してから購入しましょう!わからない場合は薬剤師さんに聞くと教えてくれます。
口内の痛み止め(Oral Pain Relief)
口内炎などで口内が痛い時、歯の痛みがある時に使う「口内の痛み止め」というものがあります。
Oragel (オーラジェル)がよく知られた銘柄で、大人向けの口内炎向け塗り薬、歯痛向けジェル、赤ちゃん用に歯が生える時の痛みを取る薬も売られています。日本では見たことがなかったので、アメリカって本当に色々な薬があるんだな、とびっくり。
便秘薬(Constipation)
Colace(コーレース)、Miralax(ミララックス)が一般的な便秘のお薬です。
お腹を下している時の薬(Anti Diarrhea Medicine)
下痢になってしまった際のお薬としてImodium(イモディウム)、そして先ほども出てきたピンクのPepto-Bismolが有名どころです。噂のピンクのお薬はお腹の不具合時に大活躍ですね。
絆創膏(Adhesive Bandages)
日本でもおなじみのBand-Aidはアメリカで発明された商品。ニュージャージーの製薬会社勤務の夫婦によって発案されました。お料理の際によく火傷や切り傷をしていた奥さんのために旦那さんが発案したそうです。このエピソードはアメリカのちびっこがよく学校や本で学んで来るミニエピソードとしてとても有名です。
子供向けのバンドエイドはテレビの人気者が印刷されたシリーズが豊富で、可愛いものがいっぱいあるのも魅力。小さくて軽いのでお土産にもいいですよ!
湿布・筋肉痛(Muscle Pain)
筋肉痛の時にピタッと貼れる湿布。日本でもおなじみのサロンパス(Salonpas)はこちらでも売られています。また、タイガーバームも塗り薬やスプレーで店頭で見かけることが多くなりました。アメリカのブランドだとIcy Hotという銘柄が、リドカイン入りのスプレーや湿布を販売しています。
やけどのクリーム(Burn Relief)
小さな火傷をしてしまった際に塗るクリームで有名なのがNeosporin(ニオスポーリン)。
火傷の時にまた効果的なのはアイスパック(氷嚢)ですが、英語ではそのままIce Pack。薬局で簡単に見つけることができます。
Neosporinには色々別商品もあり、傷口に塗る抗生物質のものが入ったタイプやアトピー向けクリーム、かゆみ、傷向けの商品などがあります。
ポイズンアイビー(Poison Ivy)
ポイズンアイビーという植物、聞いたことはありますか?アメリカではとても一般的な「毒草」です。4月ごろの暖かい時期になると芽を出すのですが、色々なところに出没し、さらに触るだけで湿疹が出たり、全身が腫れたりといったアレルギー反応をもたらす恐ろしい植物です。
日本でいう「ツタウルシ」なのですが、お庭、公園、トレイル、雑木林など、どこでも生えてきます。知らないうちに脛の辺りを葉っぱに触れた、とか、葉っぱの触ったドアノブを触ってしまった、などでアレルギー反応が出る(でない人もいます)方が年間1千万人と言われています。
ポイズンアイビーのアレルギー物質はこの植物に含まれる油分ですが、犬の散歩中に犬に触れ、それを撫でた手で自分に移り、ドアノブを触り、電気のスイッチを触り、タオルを触るなどで家族にも被害が出る場合もあります。見えないから、うっかりが怖いのです。
ポイズンアイビーはアメリカでは子供の時から絶対に触ってはいけないよ、と教わります。3枚の葉っぱ、茎が赤紫、というのが見分け方です。蔓にもなるし、藪(低木)にもなる、とっても厄介な増え方をし、秋は赤く紅葉します。もし触ってしまった際はすぐに石鹸で洗う、お風呂に入る、衣類を洗う、など対策があります。
Ivarest(アイヴァレスト)などがよく売られているポイズンアイビーの湿疹のクリームですが、ポイズンアイビーのアレルギー反応は千差万別で、さらに深刻なものになることもあるので、早めに医師に連絡を取るのが一番いいと思われます。
耳の掃除
アメリカでは医師からは耳かきはしないように注意されます。なぜかというと、耳掃除を自分でする際に耳を傷めてしまう危険があるからだそうです。
アメリカで子供を出産し、小児科にかかり始めると、まず最初に赤ちゃんのケアなどを医師から説明を受けますが、「耳(の中の)掃除はする必要がない」とかなり言われます。ティッシュやガーゼを濡らして、耳の穴の周り、耳全体を清潔にしてあげればいいですよ、と小児科医から指導を受けたことがあります。
日本と随分違うかと思いますが、アジア人以外は耳垢が乾いたタイプでなく、しっとりしているタイプで、放っておくと勝手に外に出てくる体質の人もいるそうです。
アメリカでは日本で見かけるような、竹やプラスチックの耳かきはなかなか見かけません。耳のケアをするにも一般的なお店では綿棒くらいしかアイテムが売られていません。綿棒のことはQ-tip(キューティップ)とか、Swabs(スワブズ)などと呼びます。
しかしながら耳垢で聞こえが悪くなったりした場合には、耳鼻科で掃除をしてもらうか、耳垢を取る薬で自分で耳垢を除去するかになります。先述の通り、自分で掃除する方法はアメリカでは勧められていませので、医師に相談してオススメの市販薬を教えてもらうか、耳鼻科で掃除をしてもらったほうがいいのかなど、健康診断の時などにまとめて質問するのがいいと思われます。
歯の詰め物が取れた時に自分でつける接着剤
歯の詰め物が取れてしまったら・・・日本ではすぐに歯医者さんに行って詰めてもらったり、欠かけているところをつけてもらったりできると思います。また、予約から実際の治療までも比較的時間がかからずできるのではないでしょうか。
以前の記事でもアメリカの医療は初診や予約日まで時間がかかることを述べましたが、保険のプランによっては、歯科医療保険に入っていても実際の治療を受けるまでに数週間、数ヶ月などと時間がかかるケースが多いです。こういう応急処置のため、自分でつけるための接着剤などのグッズが薬局で売られています。
また、以上の理由から、アメリカではみなさん必死になって口内衛生に気をつけています。歯磨き、フロス、歯磨き粉にこだわるのはもちろんですが、ウォーターピックという商品名のお水で歯を磨けるアイテムや、電動歯ブラシは多くの方が使っています。電動歯ブラシは本体、そして取り替え用のブラシはそんなに安くはないですが、虫歯ができて治療にかかる費用や歯科の高いプランの保険料から比べたらずっとマシという価値観がある人も大勢います。
体温計・パルスオキシメーター
体温計は日本でもどこの家庭でも常備していると思いますが、日本とアメリカで違うのは温度の単位です。
日本では摂氏(℃)、アメリカでは華氏(℉)で表しますが、アメリカで病院にかかる時などは℉でコミュニケーションをとります。しかし慣れるまで私たち日本人の頭の中は℃じゃないとわからないわけです。
両方の表示が出る体温計を持っていたら良いのですが、なかなかそういう商品もないので、どちらかの単位の体温計で測って、その都度変換する必要があります。
例を挙げると、℃36度→ ℉96.8度、℃37度→ ℉98.6度、℃37.5度→ ℉99.5度、℃38度→ ℉100.4度、℃38.5度→ ℉101.3度、℃39度→ ℉102.2度、℃40度→ ℉104度 となります。
小児科では℉100を超えたら医師に診せるようになどと言われています。
パルスオキシメーターは、指先に当てて血中の酸素濃度を測る器具です。COVID-19の症状が出て、急に悪化する際に、この酸素濃度が極端に減る例がある、ということで広まりました。コロナウィルスの件でアメリカでは売り切れが続いている期間がありましたが、現在では在庫も落ち着いたようで、薬局や通販で買うことができます。
まとめ
アメリカでの暮らしには欠かせない、常備薬やアイテムについてたくさんご紹介しました。病気にならないのが一番ですが、お医者さんにみてもらうほどではない場合の時、あると安心の常備薬。アメリカへ引っ越したら是非早めに揃えておきたいですね。
また、前回の記事でアメリカでの病院のかかり方について紹介しています。合わせて参考にしてくださいね。