アメリカの医療費や保険とは?気になる医療制度や主治医の探し方など

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こんにちは!ハナセルです!

アメリカに移住となると、まず心配になることの一つが医療ではないでしょうか?

アメリカの医療システムは日本と全く違う上、医療費はとても高額、そして風邪ぐらいではなかなか病院には行かない、などの噂を聞いたことがある方も多いかと思います。海外旅行保険に入らずアメリカで盲腸の手術と入院をすると、日本では考えられないような額を請求されるというトラブルも有名かと思います。

この記事では、アメリカに留学や駐在などで移住される方をはじめ、すでに米国に住んでいるけれど、まだ病院で診察を受けたことがない、かかりつけ医がまだいない、という方のために、アメリカでの病院のかかり方日本から移住する際に注意したいことを詳しく紹介します!

アメリカの医療制度

1. アメリカでの病院のかかり方で注意したいこと

アメリカで病院にかかろうとする時、気をつけたいことは色々あります。健康保険の制度が全く日本と異なること、専門医別に請求書がバラバラと送られてきて後日別々に払うことなどなど、本当に色々あるんです。

その中でも日本のシステムと大きく違うことは主に、

・高額な医療費
・かかりつけ医を決めないと、普通の病院にかかれない(特にお子さんは主治医が必須)
・保険会社の補償内容を常に確認しないといけない
・複雑な請求方法

です。1つずつ見ていきましょう。

2. アメリカで健康保険に入ろう

まずはアメリカに移住したら入っておきたい健康保険について紹介します。

アメリカの医療費の料金相場

アメリカでは突然の怪我や不調で病院を訪れ、検査をいくつか受けた後の請求書は、多くの人が見るのが恐怖と言います。それは、日本と比べると一つ一つの項目がとても高額なためです。

例えば・・・

・腕の骨折のCTを取っただけで$6,000(約65万円)
・数時間のERの部屋代のみで$1,000(約11万円)
・救急車に乗ると$1,500(約16万円)
・一般の初診料$150~$300(約1万5,000円~3万円)
・専門医の初診料$200~$500(約2万円~5万円)
・虫歯の治療(詰め物) $300~(約3万円~)

などなど。

というわけで、アメリカに住むなら、まずは健康保険に入ることをお勧めします。

国民皆保険ではないアメリカ

日本と違って、アメリカは国民皆保険ではありません2018年のデータによると、米国では8.5%が健康保険に未加入です。

弱者が苦しむ構図は長い間社会問題になっていますが、他の先進国のような状況に改善する様子が見られません。日本ではほぼ自動的に保険に加入できますが、アメリカでは職場で提供されるものに加入するか、自分で探して加入する必要があります。

保険に入っていないと、いろいろと不便

駐在でアメリカに行く方は、大抵の場合は会社が保険を用意してくれると思います。

留学生の方も事前に日本を立つ前に留学生保険(医療保険と物損保険がセットになっている)に入っておかないと、大学が受け入れてくれなかったり、また寮やアパートにも滞在できないケースが多いです。

気をつけたいのは、現地で就職されている方です。会社が用意したものを利用するか、または会社が用意していない場合は実費で加入する必要があります。ご結婚されていて働いていない場合は、パートナーの保険に入れてもらうか、実費で入る必要があります。

個人で保険に加入する場合、とても高く補償内容も薄い

しかしながら、自分で入る場合はとても高額です。さらに高額な保険料を払っているにも関わらず大した医療が受けられないプランも多々あります。ここに、アメリカでは風邪くらいならば診察を受けずに、多少の高熱でも我慢して市販薬で対応する人が多い理由があります。これは、コロナが流行し始めた際に検査や治療の遅れを助長した要因でもあり、アメリカの汚点と言えます。

掛け金と治療の内容のバランスの悪さから、健康な人の中には、病院にはかからないだろうし保険に加入しない方が余程経済的に良いと考え、自ら無保険を選ぶ人がいます。また、アメリカにも貧困層が無料で健康保険を受けられる制度がありますが、かなりの低所得でないと基準を満たしません。医療保険に入りたくても加入できないという人も大勢います。これがアメリカで無保険者が多い原因です。

会社が医療保険を用意してくれている場合は本当にラッキー

貧困層に無料で提供される健康保険は、かなりの貧困でない限り受けられないので、健康で労働年齢の方はまず政府の提供する健康保険は受けられないと考えるのが無難です。ですので、会社が健康保険を提供してくれている場合は米国では本当にラッキーなのです。

日本では考えられない状況ですが、米国に転居が決まった場合は、医療に関しては事前によく理解しておく必要があると言えます。特に既往症・持病がある方、お子様がいらっしゃる方は早くからの準備が必要です。

加入前に要チェック。コーペイとは?

健康保険に加入すると、聞き慣れない言葉がいくつか登場します。その中でもコーペイ(Copay)はとても大事なので押さえておきましょう。

コーペイとは、お医者さんにかかる際に事前に窓口で払う診察料です。保険証やプランの契約内容に書かれていますので、チェックしましょう。

日本では診察が終わってからお会計があり、そこで診察料や検査費など、その日にかかった全ての費用の清算がありますよね。アメリカではこのやり方は一般的ではなく、窓口でコーペイを払った後で、診察、治療をし、医師にもう帰っていいよと言われたら終わり。そのまま帰ります。そして、後日かかった検査費などの請求書が送られてくる仕組みです。これについてはまた後ほど詳しく説明します。

3. アメリカでの医療の受け方

米国でいざ具合が悪くなり、ご近所のクリニックや病院に駆け込んでも診てもらえるの?アメリカに着く前、もしくは着いたらすぐにしておきたい医療関係のあれこれをまとめました。

まずは主治医(PCP)を作ろう

PCPというのはPrimary Care Physician (かかりつけ医)の略です。

日本のように、風邪気味だからといってご近所の診療所に予約なしで行っても、アメリカでは診てもらえません

まずアメリカに住むことになったら(できるなら日本にいる時から)主治医を設定しておく必要があります。

詳しい主治医の設定については後ほどお伝えします。

歯科と眼科は別プラン

今までは「健康保険」のお話をしましたが、これは内科医などの場合で、歯科と眼科は別プランの加入が必要となります。別プランなので、加入する際は別料金となります。アメリカの医療保険、とても独特なシステムですね。

歯科・眼科プラン共に一番安い部類のものは年に1、2回の検診くらいしかカバーせず、治療や根幹手術の費用は実費となるものもありますので要注意です。歯に問題がある人や、新しいメガネが必要な人は、アメリカでは高額になるか、スムーズにできない可能性があります。(アメリカでは処方箋がないとメガネが作れません)

日本で完璧に治してからアメリカに引っ越すか、時々の日本への里帰りの際に集中的に治してくるというアメリカ住まいの日本の方もたくさんいます。

アメリカの歯科

内科以外の専門医にかかる方法

専門医は、通常の内科ではない、皮膚科、外科、耳鼻科、アレルギー科、産婦人科などのことです。

日本で内科以外の先生にお世話になっていて、アメリカでも引き続き診察・治療を続けたい場合も、まず内科医にPCPになってもらい、さらにかかりつけの専門医を設定する必要があります。理想は、PCPと同じネットワークや系列の病院に所属する医師を選ぶこと。内科医と専門医が情報をシェアしやすいと安心です。

専門医にかかる際のコーペイは通常PCPより少し高いです。

救急医療(ER)とは

かかりつけ医のお話をしましたが、今度は大怪我や急な症状が起きた場合に行くER(Emergency Room)の説明です。

大けがや発作など緊急を要する症状の場合は、救急車を呼ぶか、自分でERに行くかが勧められています。すでに保険に入っていて、かかりつけ医があり、とりあえず主治医に指示を仰いで判断したい場合は、時間外でもPCPのオフィスに電話すると医師やネットワークの医師が電話でどうすればいいか教えてくれることもあります。(これは緊急時にならないうちに、確かめておく必要がありますね。)

ERの利用はとても高額で、保険に入っていても高額な実費分が請求されることがあります。保険に入っている人は、保険会社に電話をし、どこのERなら費用がカバーされるのか確認しておく必要があります。

貧困で健康保険に入れていない人がERに行った場合、その医療費はチャリティが負担してくれる地域もあると言われています。

アージェントケアとは

急な発熱などで診察を受けたいけれど、かかりつけ医がいない、かかりつけ医の時間外である、ERに行くほどの症状でもない場合はアージェントケアに行きます。

かかりつけ医とERの間のような存在ですが、こちらもPCPでの診察と比べると割高です。

薬局で処方箋の薬を購入するときは

診察を受けて、お薬が処方された場合は、医師が処方箋を書いて渡してくれる場合と、指定の薬局にデジタルで処方箋を送ってくれる場合があります。

どちらの場合でも薬局で薬を受け取る際には再度保険証を見せる必要があります。保険証を見せれば保険適用額で薬を買うことができるのですが、保険のプラン次第では大した割引が受けられずに、高額な場合があります。

そういう場合は処方箋を薬局に出す前に、Good RX (https://www.goodrx.com)などの割引アプリなどを駆使してどこの薬局でどのくらいのディスカウントになるか確認すると良いでしょう。

4. 日本からアメリカへ引っ越す際に準備しておきたいこと

さて、次は日本からアメリカへの移住が決まり、医療保険も決まったら、事前に済ませて安心しておきたい準備についてご紹介しますね。

お薬・検診・ワクチンの履歴を英語に訳そう

お子さんや既往症がある方が特にしておかなければいけないこと、それは今までのお薬、検診、ワクチンの履歴を英訳した文書を用意することです。

日本には幸い母子手帳がありますね。アメリカには全国共通の母子手帳のようなものはなく、各自が自己責任で記録を守る必要があります。

ワクチンや成長記録の英訳は、母子手帳を拡大コピーし、日本で受けた予防接種の名前、日にちなど全ての項目を英語で書き込むので大丈夫です。医師に渡す前に、そのコピーも持って保管しておくことを忘れずに。

既往症がある方は検診や治療の記録、手術やお薬の記録も英語にして医師に提出できるように備えましょう。

子供の主治医がないと学校に入れない

アメリカでお子さんを学校に入れる場合、入学書類に主治医の連絡先とワクチンの証明を提出することが求められます。特に子供のワクチン接種に対してとても厳しいルールがあり、公立学校に入学する際は今までのすべての予防接種の履歴を子供の主治医から提出する必要があります。

ここで何か受け忘れていると、入学することができないか、入学後に新たに接種して来るよう催促がきます。ここできちんと摂取をして規定を満たさないと、義務教育が受けられないことになります。健康上の理由などでワクチンが受けられない、スケジュールが遅れている場合は、その旨を主治医に書いてもらう必要があります。

この側面もあることから、お子さんの主治医(小児科)の設定は極めて大事で、早くに済ませておかなければならないことですね。

主治医の設定(待たされることもあるので、渡航が決まったらお早目に)

先ほども出たPCPの設定のお話ですが、主治医はどこの病院の医師でもなってくれるわけではありません。まず、新患を受け付けている医師で、さらに自分の健康保険のプランがカバーする医師である必要があります。

健康保険会社のホームページに行き、自分のアカウントから、自分の住まいの周りにどれだけ候補となる医師がいるかのリストが出てきますので、そこから選び、自分で電話をし、主治医になってもらえるか打診します。このリストがホームページから入手できない場合は、保険会社に電話をし、リストを送ってもらいます。

健康に問題がない場合のPCP設定のための初診は数カ月かかることもあります。具合が悪かったり、早急に治療の引き継ぎが必要な場合は、事情を説明をして、なるべく予約を早くしてもらうよう説明します。

アメリカの医療制度

米国内で引越しの際は今までのデータを転送してもらおう

また、この主治医設定の手続きというのは、アメリカ国内で引っ越した場合もまた一から始めなければなりません。

実際に引っ越しが決まったら、すぐに現在の主治医や専門医から引っ越し先のかかりつけ医候補をお勧めしてもらったり、データ(カルテ)を送ってもらったりします。

転職などで保険会社が変わる場合は、新しい保険でカバーされる医師の調査からまた下調べを始めなければいけないですが、特にお子さんの場合は予防注射の履歴はどの州に行ってもとても重要ですので、忘れずに。

関連記事:アメリカでの暮らしの前に知っておきたい15つのこと&生活のコツ

5. アメリカの医療費は請求が複雑

米国の医療費は日本と比べてとても高額であることが有名ですが、実際に医療行為を受けてからお金の請求の面でも驚くことがたくさんあります。事前に知っておきたいことをまとめました。

健康保険会社のアカウントをこまめにチェックしよう

医療保険を利用して医師にかかると、後日保険会社のアカウントにその記録が反映され、保険会社が清算を終わらせます。また、受けた医療行為の記録も反映されます。ここで自分が受けた医療行為の項目が確認できます。

逆に言うと、受けていない医療行為は保険会社に報告し、なぜ請求に入っているのか追求することができます。

保険会社から届くEOBとは

EOBとはExplain Of Benefit のことで、患者であるあなたが受けた医療行為の内訳の説明、明細のことです。この項目は医師が保険会社に請求した医療行為なので、コーペイ以外に検査や定期検診などの項目が入ります。

歯科の定期検診の例ですと、レントゲンが一年に1回、クリーニングが一年間に4回受けられるなど、プラン内容がきちんと使われているか、PCPでの定期検診ならば無料で受けられる項目は全て受けることができたかなど照らし合わせるのにとても役に立ちますので、病院にかかった後は毎回忘れないうちに報告されている内容と実際に受けた内容に相違がないか確認することをお勧めします。

請求書が来てもすぐに払わないで

コーペイとは?の部分で紹介しましたが、アメリカの病院では診察前にコーペイを払うのみで、検査費などの請求書は後日送られてくる仕組みです。事務の作業によっては、項目ごと、ドクターごとに請求書が別々に送られて来る場合もあり、とても紛らわしく、うんざりすることがあります。

慣れないうちは、次々と送られて来る請求書に精神的に参ってしまうのですが、実は保険会社の負担額を考慮していないただの報告書である場合も多くあります。

日本と違う事務のやり方なので、すぐに払わずにまずは落ち着いて確認することが必要です。払うべきなのは「最終」の請求書のみです。保険会社のEOBと病院からの請求書を照らし合わせ、よく確認しましょう。

納得できない請求らしき手紙が届いたら、問い合わせ先の電話番号に連絡し、この請求は最終決定なのか、あるいはこれから最終の正式な請求書が送られて来るのかを確認する必要があります。とても面倒臭いですが、大事なことです。

仮の清算や間違いの場合も多い

誤った請求書を送って来るケースも多くあります。時には数年前の払ったはずのコーペイを再度請求して来るなど、純粋な間違いなのか、何か意図があるのかよくわからないものもあります。

不当な請求には堂々と対処しましょう。そして、コーペイやオンラインでの支払いのレシートは永久保存しておくことをお勧めします。

経済的に払えるゆとりがある方は、誤った請求書も確認せずに払ってしまうかもしれませんが、ここで間違って払ってしまうと、取り返すのにまた時間とエネルギーを使うことになり、諦めるというケースが多いのです。

なぜ医療費の請求書だけでこんなに混乱しているかというと、アメリカにはクレジットスコアという信用の得点制度があります。毎月のローンの支払いや医療費の滞納などがある場合はその信用の点が下がり、家や車など大きな買い物をする際に「この人の得点は低い」とわかると、ローンの利率が上がったり、消費者にとっては不利になるシステムがあります。なのでアメリカでは多くの人が、医療費の請求書がきたら遅れずにすぐに払うことを心がけています。

しかしながら、あまりにも高額すぎる請求の場合には電話で交渉し、子供の学費がある、これでは破産してしまうなど、払えない旨を伝え、ディスカウントしてもらう方法もあります。これは日本人にとってはかなり謎ですし、電話での交渉はハードルが高いですが、アメリカ人の方はかなりの割合で実際にしている方法です。医療費がディスカウントできるなんて、本当に変わった状況ですね。

6. まとめ

アメリカの医療について医療保険・主治医設定・請求と支払いについてたっぷりご紹介しました。米国の健康保険システムは病院のかかり方から請求書への対応まで、注意点がいっぱいです。

日本から米国へ移住される際に、是非とも気をつけていただきたい事項をお伝えしました。一人でも多くの方のお役に立てたら幸いです。

また次の記事で、アメリカで常備したい市販薬について紹介しました。合わせて参考にしてくださいね。

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