eSIMはオンラインでアクティベートしてモバイル通信を行う技術で、アメリカや日本でも提供するキャリアが増えてきています。物理的なSIMカード不要で通信キャリアを利用できることから、世界各国で旅行や出張時に便利なサービスとして利用者が増えつつあります。
しかし、eSIMの申込方法やプリペイドプランへの対応は、キャリアによって大きく異なるようです。
今回は、アメリカのeSIM事情をご紹介しつつ、メリット・デメリットの両方について解説していきます。
目次
1.eSIMとは?ブラウザやアプリでアクティベートするSIMのこと

eSIMとは物理的なSIMカードがなくても、アプリやwebからプロファイルをインストールして通話やネット通信が使える技術です。eSIM対応のスマホであれば、店舗に出向いたり、物理SIMカードを郵送で受け取るなどの手間をかけずとも、オンライン上で短時間で通信キャリアと契約できます。
デュアルSIMと言って、eSIMと普通のSIMを組み合わせて1台のスマホで複数の電話番号を持てたり、使用するネットワーク回線を選択できたりします。
eSIM対応のスマホはメーカーによって異なります。お使いのスマホ、購入予定の機種がこれ以降に発売されたものであれば利用できます。
1-1.eSIM対応端末
メーカー | 初めて対応した端末 |
Apple | iPhone XS、iPhone XS MAX、iPhone XR |
Samsung | 該当なし |
Pixel 3a | |
Xperia | Xperia 10 III Lite |
いずれも日本国内で発売された携帯端末を表す。
引用元:eSIM – Wikipedia
2.アメリカでeSIMが使えるキャリア
アメリカでeSIMが使えるのは、
・AT&T
・T-mobile
・Verizon
の3キャリアです。
この3つのキャリアはアメリカでも最大手の通信キャリアで、日本で言うとdocomo、au、Softbankのような存在です。これらのキャリアはオリジナルの回線を保有しているため、アメリカでスマホを使う場合上記いずれかの回線を使うことになると思います。
ただ、全てのキャリアがプリペイドのeSIMに対応しているわけではありません。
以下からは、
・それぞれのキャリアの特徴
・eSIMの対応状況
・プリペイドプラン
についてご紹介します。
2-1.AT&T

画像引用元:5G Network, 5G Plans & More – AT&T
AT&Tは、アメリカ大手の通信キャリアです。
アメリカ国内に居住する人が契約した場合は、eSIMで以下の通常プランが利用できます。
・AT&T UNLIMITED PREMIUM PLAN
・AT&T UNLIMITED EXTRA PLAN
・AT&T UNLIMITED STARTER PLAN
ネットワークカバー率が非常に高くアメリカ全土はもちろん、カナダとメキシコでも対応エリアを広げています。

画像引用元:AT&T Maps – Wireless Coverage Map for Voice and Data Coverage from AT&T
エリアの広さや通信品質の良さからか、外国から来た人、アメリカに一時帰国した人向けのプリペイドSIMでもAT&Tの回線を使用した製品は多いです。
アメリカでもバランスの良いキャリアというイメージがあります。
AT&TのプリペイドプランはeSIMには対応していないため、店舗販売されているSIMカードなどを購入する必要があります。
プリペイドプランは、データ通信料ごとに料金が異なります。有効期限は全プラン共通で1ヶ月間で、月途中にデータ容量を使いきってしまった場合は有料でチャージできます。
AT&Tのプリペイドプラン(SIMカードのみ)
・$30/月 5GBで余った分は繰越可能
・$40/月 15GBで余った分は繰越可能、メキシコとカナダへの通話も無制限
・$65/月 データ通信無制限、メキシコとカナダへの通話も無制限
2-2.T-mobile

画像引用元:T-Mobile & Sprint merged to create America’s 5G leader in coverage
T-mobileはドイツ発の通信キャリアで、欧米で広く親しまれています。

画像引用元:T-Mobile & Sprint merged to create America’s 5G leader in coverage
対応エリアは広く、都市部のカバー率が高いことでも知られています。
また、5G対応のエリアが広く、高速通信が快適に利用できます。
アメリカでは、「プランがリーズナブルでお得なキャリア」というイメージがあるようです。
プリペイドeSIMのプランは以下の3種類があります。
・10GB $40/月
・Unlimited $50/月 ※テザリングは3G速度で使い放題
・Unlimited Plus $60/月 ※テザリングは10GBまで4G速度、その後は3G速度で使い放題
2-3.Verizon

画像引用元:Verizon: Wireless, Internet, TV and Phone Services | Official Site
Verizonはニューヨークのローワーマンハッタンに拠点を置く通信キャリアです。
150ヶ国にサービスを展開しており、アメリカでも1億4,000万人以上が契約している最大級のキャリアとして知られています。
大手3キャリアの加入者は軒並み1億人オーバーですが、Verizonはその中でもやや多め。

画像引用元:Verizon: Wireless, Internet, TV and Phone Services | Official Site
通信エリアは全米各地&カナダとメキシコの一部で、赤いマル部分は5Gのハイスピードエリアです。ベイエリアの都心でも繋がりやすいという意見が多かったですが、中部~中西部に対応していないエリアもちらほら見られるので、このあたりに住む予定がある方は要注意です。
通信品質が高いキャリアというイメージがあり、公式サイトでは期間限定でお得なプランを提供していることも。
VerizonのeSIMはポストペイド(後払い)のみで、利用にはSSNやクレジットヒストリーが必要です。プリペイドプランは種類が多く、通話無制限で通信ができないものからモバイル通信が無制限のものまであります。ただ、アプリ上の手続きが出来ず店舗でプリペイドプランのSIMカードを購入しなければなりません。
これらのプランはあくまでもそれぞれのキャリア公式を利用する場合の内容です。
同じ回線でも、MVNOを契約する場合はプラン内容・金額・通信速度などが異なります。
3.アメリカでT-mobileのeSIMを使う方法

アメリカでeSIMを使用するためには、
・専用アプリ
・キャリア公式サイト
のどちらかからeSIMをインストールする必要があります。
プリペイドでeSIMが使える大手キャリアはT-mobileのみですが、専用アプリから簡単に手続きができます。
3-1.アプリをインストールする
2022年8月現在でeSIMのアプリでの手続きに対応している大手キャリアはT-mobileとVerizonですが、Verizonはポストペイド(後払い)のみ対応でプリペイド(前払い)ができません。
まずは、T-mobileのeSIMアプリをスマホにインストールしておきます。
T-mobileのアメリカ用のeSIMはアメリカ国内にいる人でないと使えませんが、アプリのダウンロードには時間がかかるので日本にいる内に済ませておくといいでしょう。
アメリカについたらWi-Fi環境でアプリを立ち上げましょう。
3-2.プランを選択する
T-mobileのeSIM専用アプリを立ち上げたら、まずはメールアドレスを入力します。
郵便番号を含めたアメリカでの住所、またはホテルなどの滞在先を入力して以下のプランから希望するものを選択しましょう。
・10GB $40/月
・Unlimited $50/月 ※テザリングは3G速度で使い放題
・Unlimited Plus $60/月 ※テザリングは10GBまで4G速度、その後は3G速度で使い放題
3-3.カードで支払いをする
プランを選択したら次の画面に移って、
・クレジットカードの名義
・クレジットカードの番号
・有効期限
・CVC/CVV
・発行した国
・日本での郵便番号
などの情報を入力します。
最後に4桁の暗証番号を設定して手続きは完了です。
プランが追加されているので、OSの設定画面からインストールしましょう。
インストールが完了して、デフォルト回線またはデータ通信にeSIMの回線を設定すれば通話・通信ができる状態になっています。
4.アメリカでeSIMを使うメリット

アメリカでeSIMを利用するのは、どんなメリットがあるのでしょうか?
4-1.SIMカードの紛失の心配がない
海外に旅行や出張に行ったとき現地用のSIMを買って入れ替えて使うという方法も一般的ですが、スマホやモバイルルーター用のSIMカードはとても小さいため紛失することも考えられます。
SIMカードを紛失すると、キャリアに連絡して紛失したSIMを止めてもらい、再発行しなければなりません。もちろん再発行手数料もかかるので、手間・時間・コストが無駄になってしまいます。
eSIMはアプリからプロファイルをダウンロードできるので、紛失の心配がありません。
4-2.アプリやウェブで簡単に手続きできる
アメリカではコンビニのようなお店やキャリアのショップの店頭でもプリペイドSIMの契約ができます。
ただ店舗での手続きは、
・店によって取扱いSIMにムラがある
・スタッフと英語でのやりとりが必要
・店舗の営業時間に合わせなければならない
・場所によっては滞在先の近くに店舗がない
などの理由でハードルが上がります。
アプリ・ブラウザからの手続きであれば、時間帯・曜日・地域に関係なく自分の好きなタイミングで電話番号が取得できます。
4-3.電話も使用できる
SIMが無くてもWi-Fi環境があればデータ通信自体は可能です。
しかし、通話やテキストメッセージ(SMS)機能を利用するには電話番号が必要になります。
特にアメリカではメッセージのやりとりをSMSで行う人が多いので、「電話はあまり使わない」という人でも、SIMはあった方がよいでしょう。
eSIMを使えばアメリカの携帯番号が発行されるので、電話やテキストも問題なく利用できます。
5.eSIMならではのデメリット

eSIMを使う前に知っておきたいデメリットについてまとめました。
eSIMならではの難点もあるので、利用を検討されている方はご覧ください。
5-1.OSや機種によっては対応していない
メーカーや機種によってはeSIMに対応していないスマホも多いです。
たとえばGalaxyシリーズは海外版ではeSIMに対応していますが、国内版は非対応です。
このように、世界的なスマホメーカーでも販売されている国によっても仕様が変わるので、渡航後に困らないように事前によく調べておきましょう。
また、アメリカの大手キャリアのeSIMはアプリから手続きしますが、キャリアによってはAndroid版のアプリがないキャリアもあります。
5-2.SSNなしではプリペイドプランしか使えない
eSIMだけでなく、アメリカではスマホなど各種契約を行う際にSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)が必要です。
SSNは入国情報がデータに反映されてから移民局に申請して、番号とカードが発行されます。
トータルでは2週間くらいかかるので、その期間通常のプランでキャリアと契約するのは難しいでしょう。
SSNについては、『SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)とは【アメリカで役立つ知識】』でご紹介しています。
SSNがない状態だとプリペイド(先払い)プランを利用するしかありません。プリペイドプランでも延長して同じ番号を使い続けることもできますが、毎月支払い手続きが必要です。
通常プランのように自動的にカードから引き落とされるということはないので、手続き忘れに気を付けなければなりません。
5-3.プランが短期間で変わるリスク
eSIMのプリペイドプランは短期間で変わることも少なくありません。
キャリアがサポートしていればリニューアル前のプランが継続して使用できるケースもありますが、猶予期間を設けて移行を促される場合もあります。
それだけ技術の進歩やメーカーのアップデートの速度が早いとも言えますが、プランの刷新後に新しいプランにしてから「リニューアル前のプランの方がよかったな」と思っても元に戻せません。
特に値段が安かったり、特典が多いプランを利用している場合はプラン変更時のリスクについてよく考えておきましょう。
5-4.アプリのエラーも多い
eSIM用のアプリの評価は、大手キャリアでも賛否がはっきり分かれています。
レビューを見てみると、
・支払いが出来なかった
・手続き中にエラーになった
・リフィル(延長)したいのに反映されない
などの否定的な口コミも少なからず見受けられました。
もちろん快適に利用できている人も多いですが、アプリからの手続きにはこのようなトラブルが発生する可能性があることも念頭に置いてください。
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HanaCell(ハナセル)ではeSIMではなく、通常のアメリカ向けのSIMカードを取り扱っております。
(eSIMも前向きに検討しております。今しばらくお待ちください。)
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アメリカのキャリア利用時に請求される州税も不要ので、毎月のスマホ代を抑えたい方にもぴったり。
SIMカードの配送は、日本でもアメリカでも送料無料です。日本で受け取って飛行機の中でスマホにSIMを入れておけば、アメリカについてすぐ通話・テキスト・データ通信が利用できますよ。
支払いは各種クレジットカードの他、PayPalも利用可能です。SSNがなくてもアメリカSIMが契約でき、プリペイドプランではないので毎月のリフィル手続きも不要。
日本語でのサポートを行っているので、アメリカでなにかトラブルが起きたり、分からないことがあってもご安心いただけます。

料金を減らし、安心感も得ることが出来ました
野上 春澄さん(在米2年、$29プラン利用)
ハナセルの前に、アメリカの電話会社のサービスを利用していました。プランの変更、機種変更、これらに伴う相談やトラブル対処を英語でするのが難しく、電話や店舗で確認するたびに違う回答となり、結局プランの変更・機種変更などを諦めていました。ハナセルに移行する際、過去解決できなかった他の電話会社との対応、機種変更等についても具体的なアドバイスを頂き、以前より費用を減らし、安心感を得ることが出来ました。使っている最中に発生するトラブルや疑問も丁寧に教えて頂き、満足しています。

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まとめ
eSIMはアメリカの大手キャリアを手軽に利用できると、旅行や出張時に使う人も増えてきています。短期間のプリペイドプラン使用の場合は便利ですが、アメリカに長期滞在する人にとっては毎月のリフィルの面倒さやアプリのエラー発生率がリスクとなるかもしれません。
留学や就職・転勤などで長期間アメリカに住む人には、日本語で契約できてリーズナブルな価格設定のハナセルのようなアメリカ用SIMがおすすめです。
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