2G GSM(ジー・エス・エム)


GSMを導入している地域(GSM Worldより)
日本では2012年に終了した2G通信サービス。最近になってオーストラリア、シンガポール、台湾が2G通信を終了しましたが、今でも2G通信が使える国がほとんどです。

そして、アメリカを含め、欧州、アジア、オセアニア、アフリカ、北米など、世界の80%以上のシェアを占めている携帯電話の2G通信規格方式GSM(Global System of Mobile communicationsの略)です。
今回は2G通信規格方式であるGSMについて、詳しく見ていきましょう。

1.GSMとは

GSM(Global System for Mobile Communications)とは、2Gと呼ばれる第2世代携帯電話に利用されている通信方式です。

もともとは各国でばらばらの規格だったヨーロッパで、規格を統一することがETSI(欧州電機通信標準化協会)によって1987年に定められました。1993年にイギリスで利用されたのをはじめに、独自規格を利用していた日本や韓国などの国を除いて、ヨーロッパ全域からアフリカ、アジア、オセアニアなど130以上の国で採用されました。いわば、携帯電話業界の標準規格、といえます。

3Gや4Gと比較してデータ通信速度は劣るものの、このGSMを搭載した携帯電話なら、世界中のほとんどの国で使うことができます。

国同士の行き来が多いヨーロッパで普及したためか、国際ローミングの機能が充実しているのもGSM携帯の特徴です。
GSMと同時にSIMカードの仕組みが導入され、SIMカードを入れ替えるだけでさらに外国での利用に便利になりました。

次世代への移行が進む現在でも対応する国が多い、国際的な通信規格です。

2.日本の2G GSMの状況

GSMが世界の80%で採用されているため、「日本の2G通信もGSMだったのでは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。なんと日本ではGSMを採用せず、日本独自の2G通信を利用していました!
これが、日本の2G通信が世界に先駆けて終了した理由の1つかもしれません。

しかし、3Gの時代になり、ドコモ、ソフトバンクを主体として、GSMの次世代通信規格W-CDMAを導入を開始。その結果、海外旅行の際も、GSM圏内で日本の携帯電話を使用することが可能になりました。
また、auのグローバルパスポート対応機種も、海外利用のためにGSMを搭載しています。日本で販売されている最新のスマホにも、日本では使うことはない2G GSMが搭載されていることがほとんどです。

もしもアメリカやハワイに数日程度の短期滞在をするのであれば、アメリカ現地で携帯電話を契約するよりも、日本の携帯電話を使用した方が楽かもしれません。
ただし、アメリカ留学や駐在などで、アメリカ滞在が長期に及ぶ場合は、アメリカ携帯電話会社のサービスを利用したほうが、金銭的にも、サービス面でも良いでしょう。

アメリカでの生活は何かとお金がかかるもの。予想外の出費、余分なお金は極力節約したいものですね。
それに、アメリカでできたお友だちに「日本の携帯電話に国際電話をかけて」とお願いするのは、ちょっと気が引けますよね。

ハナセルの場合は
ハナセルは、日本語で契約できるアメリカ現地の携帯電話サービス。
旅行日数(7日間、15日間、30日間)によって選べる短期プリペイドeSIMや、長期の留学生・駐在員向けのアメリカ長期滞在SIM・eSIMをご用意しています。

アメリカSIM 長期滞在
アメリカeSIM 短期プリペイド

3.アメリカの2G GSMの状況

アメリカでは今でも2Gサービスを利用することができますが、利用エリアが狭くなってきています。
GSMのみに対応している携帯電話では、使えない場所も多いです。

4.GSMを使っていなかった国

韓国は2Gの通信方式としてGSMを採用しませんでした。
そして今は2G通信サービスを終了しています。

5.以前はGSMを使っていたけれど、終了した国

オーストラリア、シンガポール、台湾
まだまだ終了していない国が多いんですね。

6.3Gとは

3Gとは2Gよりも高速な通信を特徴とした 3rd Generation、第3世代の通信規格のことです。
ITU(国際電気通信連合)によって1999年に「IMT-2000」として定められた標準に準拠した規格のことを呼び、日本だと、docomoやSoftBankで採用されている「W-CDMA」という規格や、auで採用されている「cdma2000」などがこれにあたります。
欧州では「UMTS」と呼ばれることもあります。
 
日本でも利用されたW-CDMAはGSMの次世代通信規格として知られています。
そのため、日本で3Gが普及してからは海外でGSMに対応できる日本の端末も増えていきました。
 
現在、日本では、2022年3月にはKDDIが3Gサービスを終了、2024年にはSoftBank、2026年にはdocomoもそれに続いて3Gサービスの終了を予定しており、4G、5Gへの移行が進められています。

アメリカの5Gについては、以下の記事でも詳しく解説しております。
合わせてご覧ください。

関連記事:5Gはアメリカで使える?普及率についても解説

7.GSMの種類

GSMには下記4つの周波数ネットワークがあります。

GSM 900MHz ヨーロッパ、アジア(日本・韓国をのぞく)、
オセアニア、アフリカを中心に使用
GSM 1800MHz
GSM 850MHz 北米(ハワイ、グアム、サイパンを含む)を中心に利用
GSM 1900MHz

近年発売されているスマートフォンは、ほとんどの場合、GSMの4つの周波数すべてに対応しています。そのため、日本と韓国を除く世界のほぼすべてで使うことが可能です。(日本と韓国はGSMを採用していません。世界的に見て珍しい国なんです。)

海外の従来式の携帯電話は、一部の周波数に対応していない場合もあります。携帯電話機種が、どの周波数に対応しているかによって呼び名が変化します。
900MHzのみ対応の携帯電話をシングルバンド(Single Band)、
850MHz・1900MHzの周波数に対応した携帯電話をデュアルバンド*1 (Dual Band)、
900MHz・1800MHz・1900MHzの周波数に対応した携帯電話をトライバンド(Tri Band)、
そしてGSM方式を採用している全ての国で使用することができる、4つの周波数に対応した携帯電話をクアッドバンド(QuadBand)といいます。

*1) 米国でデュアルバンドといえば850MHz・1900MHzを指しますが、米国以外では通常900MHz・1800MHzを指します。

最近の携帯電話やスマホは、GSMのすべての周波数が入っているものがほとんどです。

関連記事:3Gと4G LTEとは? アメリカ携帯電話・SIMカードの基礎講座

関連記事:5Gはアメリカで使える?普及状況についても解説

8.アメリカで使う携帯ならハナセル

ハナセルのアメリカ携帯プランは渡米前に日本で契約・受け取りができます。お申込み、お問合せ、そして最後の解約まで、すべて日本語だけで行えるので、英語に不安があるという方でも安心。

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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