アメリカの年金制度と受給方法について

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アメリカの年金は、一定期間以上の加入歴がある人なら外国人でも受給できます。

日本から受給手続きをする場合イレギュラーな方法で申し込みが必要なので、これからアメリカで働く予定や計画のある方は手順を押さえておきましょう。

アメリカの公的年金の基礎知識

アメリカの公的年金の基礎知識

アメリカでは日本と同じように公的な年金制度があります。
正式な名称は、『Old-Age Survivors and Disability Insurance(老齢・遺族・障害年金)』と言います。頭文字を取ってOASDIと記載することも。

100名を対象に行ったアンケートでは、アメリカの年金に対するイメージで以下のような結果が出ました。

アメリカの年金に関するイメージアンケート

アメリカの年金制度は日本よりも薄いイメージがあると答えた人が半数を超えていることが分かります。

おそらく、アメリカの医療保険制度は複雑で自己負担額も大きいことから「年金制度もそれと近いのではないか」と考える方が多いのでしょう。

たしかにアメリカの医療保険制度は日本よりも格段に複雑で、手続きや金額の面で自己負担が大きいです。

しかし、年金制度は国家が公的に運営しており、サポートが薄いわけではありません。

アメリカの公的年金についての基礎的な情報についてまとめました。

管轄

アメリカの公的年金の管轄は社会保障庁で、社会保障法を根拠法に運営されています。

給付額の水準は、当時の賃金を過去35年間の平均賃金伸び率をあてはめて算出されます。(スライド済平均賃金月額)
年金額計算式(月額)=0.9A+0.32B+0.15C 
A:再評価済み賃金~960USD
B:同960~5,785USDまでの分
C:同5,785USD~の分

計算が複雑で分かりにくいため、詳しくはBenefits Planner: Retiremenでご確認ください。

社会保障税の支払い

アメリカの公的年金は、毎月『社会保障税』として支払います。
保険料率は12.4%で、会社勤務の場合は会社と労働者が折半するので6.2%ずつ。
自営業の場合は全額被保険者が負担します。

加入条件は、
・被用者(パート勤務等を含む)
・自営業者(年間400USD以上の順営業所得がある)
です。

アメリカの年金は公的な制度ですが、年間で400ドル以上の収入がなければ加入できません。

日本のように成人が全て公的年金に加入したり、無職の間も年金を毎月支払わなければならないということは義務付けられていません。

収入がなく年金加入が難しかったアメリカ市民は、65歳以上になれば日本の生活保護に相当するSSIという制度が利用できることがあります。
SSIの受給条件は65歳以上であるか、視力またはその他障害があり経済的なリソースに制限がある人です。

SSIではほぼ全ての州で保険料と、フードチケットや医療補助が受け取れます。(カリフォルニア州ではフードチケットは支給されません。)

受給要件

退職(老齢)年金の場合は、10年以上基準を上回る収入を得ていることが受給条件となります。
基準額は年によって異なりますが、2020年四半期での基準は1,410USDです。

受給開始年齢は66歳で、1955年以降生まれは段階的に引き上げられています。
1960年以降に生まれた人は67歳から受給可能です。

62歳から早期受給できますが、金額は割引されます。反対に受給時期を送らせて割増金額を受け取ることもできます。
配偶者は加入者本人の50%の年金が受給されます。

障害年金

なんらかの障害が発生した際は、その時の年齢に応じて定められた期間社会保障税を支払っている場合に社会保障年金が給付されます。
2019年のデータでは、配偶者とお子さんがいる場合の障害年金の平均受給月額は2,178USDとなっています。

遺族年金

年金加入者が亡くなった場合は、死亡時の年齢に応じて一定期間社会保障税を払っていると配偶者または家族に遺族年金が支給されます。
受給金額は子供の年齢や障害の有無によって変動します。

また、死亡一時金として遺族1人あたりに255USD(2020年時点)が支給されます。

日本人が渡米した際の年金の扱いは?

日本人が渡米した際の年金の扱いは?
日本人が一定期間アメリカの会社等で勤務した場合の年金の扱いについて見ていきましょう。

社会保障協定

社会保障協定とは、保険料の二重負担や年金受給資格についての問題を防ぐための制度です。
海外で勤務する場合は、日本とアメリカで二重に社会保険料を支払わないで済むように渡航前に年金事務所で手続きが必要です。

一時的にアメリカで働く場合は、アメリカの社会保障に加入しなくていいように「適用証明書」を取得しましょう。
事業主が「適用証明書交付申請書」を年金事務所に提出し、「適用証明書」をアメリカの勤務先に提出すればアメリカの社会保障への加入が免除されます。(日本の社会保険には引き続き加入した状態です。)

アメリカ支社に長期間勤務したり、現地採用などでアメリカの社会保障制度に加入しなければならない場合は、事業主が日本国内の年金事務所に厚生年金保険の資格喪失届を提出します。

一定期間アメリカの年金に加入した場合

アメリカで働き社会保障制度に6クレジット(1年6ヶ月)以上、日米通算での年金加入期間が通算10年を超える場合、アメリカの退職年金が受け取れます。

振り込みは毎月で、アメリカドルまたは日本円でのどちらかが選択できます。

日本に帰国してからアメリカの年金を受け取るには?

日本に帰国してからアメリカの年金を受け取るには
海外赴任やアメリカ現地での就労などの経験がある人が、日本に帰国してからアメリカの退職年金を受け取るために必要な手続きについてご紹介します。

必要な書類

まずは、アメリカの退職年金受給手続きに必要な書類を揃えましょう。

・アメリカの年金請求申出書(日本年金機構のサイトからダウンロードできます)
・戸籍抄本かパスポートの写し※
・年金手帳または年金証書のコピー
・共済組合員の場合は加入番号が分かるもの
・アメリカのSSN(ソーシャルセキュリティナンバー)カードの写しか、SSNが確認できる書類※

※・・・配偶者やお子さんがいる場合は家族全員分

これらの書類を用意して管轄の年金事務所にて申込をします。
SSNが分からなくなった場合は、アメリカ側で調べてもらえますのでその旨を伝えましょう。
SSNについては、『SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)とは【アメリカで役立つ知識】』で詳しく解説しております。

手続き

年金事務所に書類を提出後、SSA(合衆国領事部連邦年金課)に申込者の年金加入記録が送られて確認作業が行われます。

確認が出来次第、電話での聞き取りなどが行われて審査に進みます。
加入者本人だけが単身赴任していた場合でも配偶者には50%が支給されます。
配偶者にSSNがない場合は、アメリカの大使館か領事館で面接証明を受けるケースがあるので、指示に従って手続きを行いましょう。

年金受給のためにアメリカ大使館にSSN取得を申請する場合は、写真付き身分証明(運転免許証か有効な旅券など)を持参しましょう。
申請には予約が必要ですので、お近くの大使館または領事館の年金課にお問合せください。

期間

申込から審査結果が出るまでの期間は時期などによっても変動しますが、
・SSAの確認完了まで:数ヵ月~半年程度
・電話での聞き取りから審査完了まで:数ヵ月
ほどかかります。

申請書を提出してしばらくしてSSAから英文の手紙が届くことがあります。この時点で、最終確認に入ったというお知らせなので、2~3ヶ月後には審査結果が出ます。

受給の3ヶ月前から申請できるので余裕を持って準備を進めておき、早めに申込をすることをおすすめします。
手続き中に誕生日が来て受給年齢になった場合は、遡って受給できますが6ヶ月以上経つと受給権利の時効がきてしまうので気を付けましょう。

まとめ

アメリカの年金は日本と同様に公的な制度ですが、加入条件など日本とは異なる面も多いので分かりにくいかもしれません。
本文でご紹介したように一定期間以上アメリカで現地の企業に勤務した経験があり、日本でも10年以上年金に加入している方は、日本にいながらアメリカの退職年金を受給できます。

アメリカの退職年金を利用する場合は申請から受給決定までとにかく時間がかかるので、早めに準備と手続きを進めておきましょう。

何か分からないことがあれば、お近くの年金事務所かアメリカ大使館または領事館の年金課にお問合せください。

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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