ペンシルベニア州 ~アメリカ50州大解剖~

ペンシルベニア州

アメリカ合衆国にある50の州をそれぞれ紹介するアメリカ50州大解剖シリーズ。今回はペンシルベニア州を紹介します。

ペンシルベニア州はアメリカ北東部に位置し、独立宣言や合衆国憲法の制定と深く結び付く「建国の地」として知られる州です。最大都市フィラデルフィアは、独立期の史跡が集まる街として知られ、「自由の鐘」も見どころの一つです。州都はハリスバーグで、主要都市にはピッツバーグも挙げられます。さらに州内には、南北戦争の激戦地として知られるゲティスバーグがあります。

【ペンシルベニア州の基本情報】
州都 ハリスバーグ
最大都市 フィラデルフィア
面積 約11.9万km²
人口 約1,310万人(2024年)
愛称 キーストーン・ステート(礎石の州)
日本との時差 14時間(夏時間は13時間)

面積は北海道の約1.4倍で、人口は東京都よりやや少ない程度です。愛称の「キーストーン・ステート(礎石の州)」は、13植民地の時代から地理的・政治的に要となり、周辺地域をつなぐ役割を担った点に由来します。

アメリカのペンシルベニア州がどんなところなのか詳しく見ていきましょう。

ペンシルベニア州について

州都:ハリスバーグ
地域:東部
最大都市:フィラデルフィア
人口:13,078,751人(2024年)
愛称:The Keystone State

ペンシルベニア州の歴史

ペンシルベニア州は、合衆国の始まりに深く関わる歴史ある州です。フィラデルフィアでは第二次大陸会議を舞台に独立宣言が起草・署名され、合衆国憲法も同地でまとめられました。独立記念館をはじめ、建国期の出来事を伝える史跡が多い点も特徴です。

1790年から1800年まで約10年間は首都が置かれ、政治の中心だった時期もあります。南北戦争ではゲティスバーグの戦いが転換点とされ、リンカーンが演説した場所としても知られます。そして、1787年12月12日、合衆国憲法を批准した2番目の州となりました。

愛称は「キーストーン・ステート(礎石の州)」で、アーチの要となる礎石になぞらえ、東部の沿岸部と内陸をつなぐ要の州という意味を持ちます。州を紹介する文脈で使われる代表的なニックネームとして知られています。

ペンシルベニア州の地理

ペンシルベニア州は北部はニューヨーク州、西はオハイオ州、南はデラウェア州、メリーランド州、ウェストバージニア州、東はニュージャージー州に面しています。

古くから鉄道と道路が発達し、東海岸の大都市と中西部を繋ぐ重要な役割を果たした州でもあります。

ペンシルベニア州の気候

ペンシルベニア州全体の地域はアメリカ東北部から南へかかるアパラチア山脈にかかっており、標高の高いところや平坦な地域など、地形が様々。それに従い気候も多様です。

一概に州全体では冬は寒く、夏は暑く湿気は多い方で、冬は特に州の北側は五大湖方面からの影響を大きく受けて非常に寒く、降雪も多い傾向にあります。

ペンシルベニア州の人口構成

白人約80%、黒人約10%、アジア系約3%となっています。

ペンシルベニア州はアメリカの建国時に要となった場所。現在フィラデルフィアは白人約45%、黒人約43%、アジア人約5%、その他約5%となっている。州内は都市部を中心にヒスパニック系、インド系、中国系も増え続けている。

ペンシルベニア州の経済・産業

ペンシルベニア州は鉄鋼業を中心に発展してきた州で、今も製造業が州の経済を支えています。特に、ピッツバーグ周辺は鉄鋼の歴史と結び付きが強い地域です。一方で、産業は重工業だけではなく、都市部では金融や情報通信などの仕事も多く、企業活動の拠点が集まっています。代表的な企業としてはUSスチール・ハインツ・コムキャストなどが挙げられます。

農業も盛んで、酪農や畜産に加え、園芸作物まで幅広く生産されています。マッシュルームは全米1位、リンゴは全米2位とされ、食の分野でも存在感があります。観光収入が全米7位で、規模は約159億ドル。

州内には日本企業が約200社進出しており、製造や物流だけでなく、販売や調達、サービスの拠点としても使われています。

ペンシルベニア州の州都ハリスバーグ

ペンシルベニアの州都ハリスバーグは最も古い都市の一つであり、鉄道と運河のおかげで早くから工業化が進みました。第25代大統領のセオドア・ルーズベルトが最も美しい建物だと評したことで有名なペンシルベニア州会議事堂は内部を紹介してくれるツアーも行っています。中に入って豪華絢爛の内装もじっくり観覧したい方はぜひ参加してみてください。

そのほかハリスバーグには、南北戦争博物館、州立博物館、ワイルドウッドパーク、リバーボートなどの観光名所があります。

ペンシルベニア州の名所あれこれ

もともと合衆国の首都だったフィラデルフィアは交通の要所であり、他の州からのアクセスが容易です。フィラデルフィアには世界遺産に指定されている独立記念館や自由の鐘、フィラデルフィア美術館、博物館、憲法センターなど見所が豊富。

たとえば、電気を使わない生活スタイルで暮らすアーミッシュの人々が多く住むランカスターは田園風景の中を馬車がゆく姿も見ることができます。

その他、日本でもお馴染みのチョコレートメーカーであるハーシーが築いた街もあり、テーマパークや工場見学など楽しめます。

ここからは、ペンシルベニア州で訪れてみたい名所を紹介します。

フィラデルフィアの見どころ

フィラデルフィアは、アメリカ独立の歴史に触れられる史跡と、文化施設が近い距離に集まる都市です。建国の舞台を押さえつつ、美術館巡りまでまとめて楽しめます。

・独立記念館
独立記念館は世界遺産に登録されており、アメリカ独立に関わる重要な出来事の舞台として知られます。フィラデルフィア観光の核になる史跡で、建国期の意思決定が行われた場所として、建物そのものが歴史資料の役割も担っています。

・自由の鐘
自由の鐘は「自由」を象徴する存在として語られ、独立記念館周辺の歴史エリアとあわせて訪れやすいスポットです。展示は短時間でも要点がつかめる構成で、立ち寄り先に組み込みやすい点が特徴です。

・フィラデルフィア美術館
フィラデルフィア美術館は、映画「ロッキー」の名シーンで知られる美術館前の階段が有名です。階段とロッキー像は写真スポットとして定番で、美術館自体も大規模でコレクションが充実しているため、聖地巡礼とアート観光を両立できます。

・バーンズ財団美術館
バーンズ財団美術館は印象派を中心とするコレクションで知られ、美術館巡りの選択肢を増やします。大規模施設というより、作品の見せ方と密度を楽しむタイプの美術館です。

歴史スポット

ペンシルベニア州は建国期だけでなく、南北戦争や独立戦争の重要スポットも残る州です。出来事の背景を知った上で訪れると、風景の見え方が変わるでしょう。

・ゲティスバーグ国立軍事公園
南北戦争の「ゲティスバーグの戦い」は聞いたことがある人も多いでしょう。戦争が始まってたった3日間で約5万人の兵士が死傷した地として、アメリカの歴史に残っています。戦争が終わった後、激戦地であったゲティスバーグの地で、リンカーンが「ゲティスバーグの演説」を行いました。この演説では、アメリカの理念として自由と平等であることを掲げたことで有名です。現在でもゲティスバーグ国立軍事公園内には、戦場の地形や記念碑が広い範囲に残り、古戦場のツアーも開催されています。

・バレー・フォージ国立歴史公園
バレー・フォージ国立歴史公園は、独立戦争期に大陸軍が厳冬を越した野営地として知られます。当時をたどる見学ルートが整っており、戦いそのものより、持久と再建の歴史を感じるスポットです。

文化・自然

都市部から少し足を延ばすと、暮らしの文化に触れられる地域や、建築・自然を目的にできるスポットが広がります。より現地ならではの空気感を味わえるスポットです。

・アーミッシュの村
ランカスターに広がるアーミッシュの村は、馬車移動や共同体の慣習など、独自の生活文化で知られる地域です。ただし、観光は見世物ではなく、伝統と価値観を尊重して学ぶ姿勢が前提になります。

・落水荘
落水荘はフランク・ロイド・ライトの建築で、世界遺産に登録されています。自然の中に建物を溶け込ませる設計で評価され、建築そのものが目的地になります。写真映えだけでなく、周囲の環境と一体になった空間体験が強みです。

・ハーシー
ハーシーは「チョコレートの町」として知られ、街の雰囲気そのものが甘いテーマで統一されています。チョコレートの世界観を前面に出した施設があり、工場見学のような感覚で工程や香りの演出を楽しめる点が魅力です。

・ポコノ山地
ポコノ山地はスキーとアウトドアで知られるエリアです。山と森の景観が広がり、ハイキングなど屋外アクティビティを楽しめます。冬はスキー場がにぎわい、夏から秋はトレイル歩きや湖畔の時間など、季節によって過ごし方が変わります。

・121の州立公園
州内には121の州立公園があり、短いトレイルから景勝地まで自然の選択肢が幅広い点が魅力です。たとえばフィラデルフィアやピッツバーグで博物館や史跡を回った翌日に、州立公園でハイキングや湖畔散策を楽しむなど、都市観光と自然の両方を楽しめます。

日本からペンシルベニアへのアクセス・旅行情報

ペンシルベニア州は、日本より通常14時間遅く、サマータイム中は13時間遅れです。時差の感覚としては、日本が夜8時のとき現地は朝6時(夏時間は朝7時)になります。

日本からフィラデルフィア行きの直行便はなく、米国内の主要都市で乗り継ぐ経由便が基本。移動時間は乗り継ぎ込みで約14〜16時間が目安となります。主要空港は州内の東側やフィラデルフィア周辺へ入る玄関口「フィラデルフィア国際空港」と、州内西側の移動に使いやすい「ピッツバーグ国際空港」の2つなので、滞在地に合わせて使い分けると効率的です。

ベストシーズンは6〜8月の夏と、9〜11月の紅葉シーズンです。治安は比較的良好とされますが、中心部でも場所と時間帯で状況が変わるため、夜間の単独行動や人通りの少ない通りを避けましょう。到着が深夜になりにくい便を選び、滞在先の注意喚起を事前に確認し、貴重品管理を徹底すると安心です。

ペンシルベニア州の州名の由来

ペンシルベニア州は英語では「Commonwealth of Pennsylvania」です。

アメリカには州を意味する「State」を用いず、「Commonwealth」を用いる州が4つあり、ペンシルベニア州はそのうちの一つ。日本語ではCommonwealthに該当する訳が存在せず、50州全てが「州」とされています。

アメリカでは州名をはじめとする土地の名前にネイティブアメリカンやスペイン、フランス、イギリス語にゆかりのあるものが付けられることが多いものの、ペンシルベニアという言葉は地学などで登場する「ペンシルベニア紀」に由来します。

まとめ

アメリカ合衆国にある50州の中から、今回はペンシルベニア州をご紹介しました。

アメリカの州一覧と各州の特徴はこちらの記事で解説していますので、各州の特徴をまとめて読みたいという方はぜひご覧になってください。

アメリカ合衆国は全部で50の州と首都ワシントンD.C.(コロンビア特別区)から成り立っています。本記事ではアメリカ合衆国全50州+1特別区の魅力と特徴を徹底解説しています。

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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