アメリカのお金の種類と知っておいた方が良い注意点

アメリカでは小銭と紙幣それぞれに呼び名が付いていたり、口語的な表現でやりとりされることも多いです。
日本では金額のみで金種を判断するので、最初はどれがどれだか分からなくなるかもしれませんね。

キャッシュレス化が進んでいるアメリカでも、意外と現金を使う場面はあるのでお金の種類について知っておきましょう。
今回は注意点と合わせてご紹介していきます。

アメリカのお金の種類と愛称【小銭編】

アメリカのお金の種類と愛称【小銭編】
まずはアメリカの小銭の種類について見ていきましょう。

1セント

日本でいうところの1円玉に相当する硬貨です。
肖像は第16代大統領エイブラハム・リンカーンで、愛称はPenny(ペニー)です。

ニュージーランドなどでは1セント硬貨は廃止されていますが、アメリカでは残されています。
ただ、キャッシュレス化が進んでいることや貨幣価値の低さからそれほど流通はしていません。

5セント

第3代大統領トーマス・ジェファーソンが描かれた5セント硬貨は、愛称はNickel(ニッケル)。
2000年代に入ってからも、何度かデザインが変更された珍しい硬貨です。

10セント

アメリカの硬貨の中で最も小さく薄い硬貨がこの10セント硬貨です。
肖像は第32代大統領フランクリン・ルーズベルトで、愛称はDime(ダイム)。

25セント

最もアメリカ国内で流通しているのがこの25セント硬貨です。
肖像は初代合衆国大統領ジョージ・ワシントンで、愛称はQuater(クォーター)。

50セント

第35代大統領ジョン・F・ケネディが描かれた50セント硬貨は、Half Dollar(ハーフ・ダラー)と呼ばれています。
暗殺という大きな事件があったこと、銀の含有率が高く保管する人が多かったことなどから60年代以降あまり流通していません。

100セント

100セント=1ドルなので、One dollar coin(ワンダラーコイン)またはGolden Dollar(ゴールデンダラー)、Sacagawea dollar(サカガウィア・ダラー)などと呼ばれます。
現行のデザインは、原住民族のひとつショショーニ族の女性ランディ・ヒドウ・テトンが描かれています。

1ドルには紙幣と硬貨が同時に流通している、という世界的にみても珍しい状況です。

アメリカのお金の種類【紙幣編】

アメリカのお金の種類【紙幣編:】
画像引用元:アメリカ合衆国ドル – Wikipedia

アメリカでは1ドル以上に全て紙幣が存在し、紙幣の種類が多い国でもあります。
その内訳について見ていきましょう。

1ドル

1ドル紙幣は、初代大統領ジョージ・ワシントンが描かれた紙幣です。
愛称はSingle(シングル)で現在流通している紙幣の中でも最も古いデザインで、何度か他の紙幣が改定されても1ドル紙幣は象徴として昔の姿を保っています。
日常的には、硬貨よりも紙幣の方が流通しているようです。

2ドル

2ドル紙幣にはトーマス・ジェファーソンの肖像と、独立宣言署名が描かれています。
アメリカの建国を象徴するようなデザインですが、流通量が少なくあまり目にする機会はありません。
そのため、2ドル紙幣を持っていると不幸になる、または幸運になるなど様々な都市伝説のテーマになっています。

5ドル

5ドル紙幣にはエイブラハム・リンカーンが描かれています。
愛称はFin(フィン)、あるいはFiver(ファイバー)などがあります。

10ドル

10ドル紙幣には、初代財務長官を務めたアレキサンダー・ハミルトンが描かれています。
アメリカの紙幣の中で、唯一左向きの肖像画が採用されていることでも知られています。

20ドル

20ドル紙幣には第7代アメリカ大統領のアンドリュー・ジャクソンの肖像が描かれています。
ジャクソン氏は民主党から始めての大統領となったこと、移民からたたき上げで合衆国大統領にまでなった功績があります。
しかし、先住民族へのジェノサイドや黒人奴隷推進派であったこと、恐慌を引き起こしたことなどから辛く評価されることも多い大統領でもあります。

以前から進められていた計画により、2030年には奴隷解放運動家のハリエット・タブマンが黒人女性として初めてアメリカ紙幣の肖像を飾る予定です。

50ドル

50ドル紙幣には、第18代アメリカ大統領ユリシーズ・シンプソン・グラントが描かれています。
南北戦争時には将軍として北軍を率いて、勝利を収めました。

アメリカの大統領経験者として始めて来日したグラント将軍としても知られています。

100ドル

100ドル紙幣は現在流通しているアメリカの通貨の中でも最も高額です。
肖像はアメリカの物理学者・政治家・外交官・気象学者のベンジャミン・フランクリンです。

肖像画に由来して100ドル紙幣のことをBenjamin(ベンジャミン)やFrankie(フランキー)と呼ぶことも。
日本でも高額紙幣の福沢諭吉がお金のイメージや比喩に使われるように、Benjaminという言葉がお金の代名詞という文脈で会話に使われることもあります。

アメリカでも現金は使われる

アメリカでも現金は使われる
アメリカでは日本よりもずっとキャッシュレスが進んでいる国というイメージも強いですが、意外にも現金が使われる機会もあります。

アメリカのキャッシュレス事情については『アメリカのキャッシュレス事情。クレカ、オンライン決済から小切手まで解説』で詳しく解説しております。

コインランドリーでは25セント硬貨が必須

アメリカのコインランドリーや、新聞の自販機などでは25セントがよく使われています。
なぜ25セント硬貨が使われているのかははっきりしませんが、スーパーなどでも25セントの棒金と気軽に両替してくれたりと人々の生活に身近な硬貨です。

日本だとコインランドリーはそれほど頻繁に使いませんが、アメリカではアパートなどの集合住宅では部屋ごとに洗濯機を置かない物件も多く、洗濯・乾燥は建物内のランドリールームで行うことも一般的です。

テイクアウト店舗やホテルのチップも現金で渡すことが多い

飲食店のチップはクレジットカードで会計と一緒に支払えますが、テイクアウト利用やホテルのスタッフへのチップは現金で渡す機会も多いです。
一般的にはテイクアウトやファストフードではチップは不要ですが、お店によっては任意でチップを入れるスペースがあったりすることも。

ホテルでは、清掃や荷物運びの度にチップを渡す習慣があります。
その際は1ドル紙幣を渡すのが一般的です。

アメリカのチップについては、以下の記事でも解説しております。
合わせてご覧ください。
アメリカでチップをスマートに払う方法を解説|払う場面・理由・金額相場など

経済格差の問題で完全キャッシュレス化を規制する動きも

アメリカでは貧困層の人々がクレジットカードを作れなかったり、キャッシュレス決済を利用できないケースがあります。
そのため、州法で完全キャッシュレスを規制し、店舗は現金での決済を受け付ける法律を施行する動きが進んでいます。

ニューヨーク市、サンフランシスコ市、ペンシルベニア州、マサチューセッツ州などの州や地域では、既に完全キャッシュレス化が禁止されています。

まとめ

アメリカのお金は種類も多く、建国や国の有事に大統領を経験した人が肖像画に多く選ばれていることが分かりました。
金種によっては日常的にはほぼ使われず、カジノなどごく限られた場面でトークン(代替通貨)として使用されているケースもあります。

ただ、アメリカが日本よりもキャッシュレスが進んでいるからと言っても25セントや1ドル紙幣など日々多用される通貨もあるので、これからアメリカに暮らす予定のある方はあらかじめある程度両替しておくとよいでしょう。

アメリカ携帯ハナセルが運営する「アメリカ新生活・移住ブログ」では、本記事のように、アメリカでの生活や旅行で困ったときの解決方法や、アメリカに行く前に知っておきたい知識など、アメリカで役立つ様々な情報を発信しています。

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吉田店長の写真

監修者
ハナセル店長 吉田

モベルコミュニケーションズ取締役
アメリカ携帯電話業界に20年携わる専門家

小学生の頃に日本を離れた後、海外の大学に進学。海外携帯電話会社に入社し、現在も海外生活を続ける。
2007年、一時帰国の度に感動する日本品質のサービスを米国在住者にお届けしたいという想いから、日本人のためのアメリカ携帯サービス「HanaCell(ハナセル)」を立ち上げる。
コラムでは、一般の方にもわかりやすいアメリカ携帯電話に関する情報や、バイリンガルを活かしたアメリカ生活情報の発信・監修を行っている。

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